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2011年11月23日

ヒアアフター(2010)

- 実に大人しい -

津波で臨死体験をしたフランス女性、兄弟を失った少年、霊能力を持つがゆえに苦しむ青年。彼らが偶然からイギリスのブックフェアーで知り合う・・・

マット・デイモン主演。今や彼は絶好調だ。おそらくジョニー・デップよりも役柄に幅があり、ディカプリオよりもヒット作が多いから、映画会社として最も金につながる好ましいスターと思われているに違いない。ほとんど外れのない状況ではないか。

ボーン・シリーズが大きなヒットだった関係で、若手有望株から大スターの地位につけたように思うが、非常に特徴のある外見をしているわけではなく、やや坊ちゃん的な風貌。およそスターになれそうな気がしないのだが、何が良かったのか?

自ら企画を作り出すほどの能力があることが、おそらく最大の武器か。センス良く作品を選び、役柄をおさえるクレバーな役者なのかと想像する。

この作品で印象的なのは、自宅で一人食事をした後、口を丁寧にナプキンでぬぐう仕草。いかにも大人しい、どこか女性的ですらあるほどの穏やかさ。世間と戦ってでも生き抜こうというタイプと正反対の世捨て人を上手く演じた仕草だった。

良い作品だと思う。ただし面白いことを期待して観るタイプの人は、この作品は避けたほうが良い。「だから何だよ。」という印象につながる可能性がある。恋人と、たまには真面目な作品を見て好印象につなげようかと思うならお勧め。家族で観るのも悪くはないような印象だが、小さい子供は退屈するだろう。

死が身近でない人にはピンと来ない作品テーマかも。

癒しを狙った作品だと思う。興奮、感涙、驚きが狙いではない。CGは使ってあるが、リアルな表現のための手段としてであって、もともとがCGを全面に押し出す子供映画ではない。良い意味では大人向きであり、悪く言えば観客へのアピール度が足りないということになる。

ヒロインは美しい女優さんだったが、こちらも存在感のある演技ぶり。派手な演出で、ライバルのキャスターと感情むき出しに争ったりしないなどの演出面の配慮も効果的だったのかもしれない。

ヒロイン以上に印象的だったのが、主人公と料理教室で仲良くなる女性。どのように感じ、どのように考えたかはっきり解るような、明確な演技をしていた。

双子の少年達も、よく選んできたねと感心するほど雰囲気が出ていた。まるで収容所に入ってそうな風貌の二人だった。

テーマとして、大ヒットを狙う作品では最初から違うと思う。「ゴースト」のような恋愛メロドラマ的な路線を狙えば、たぶんずっとヒットするに違いないが、やはりクサイ映画になってしまう。一定のレベルを保つためには、一定の静かさ、生真面目さが要求されるのだろう。

20万人以上がなくなったとされるスマトラ島沖地震による津波を、リアルな再現CGで映像化していた。この作品のウリのひとつ。海の映像や、プールでの映像、完全なCGなどを組み合わせていたそうだ。詳細な再現は、やはり迫力に出てくる。でも、ホテルの高層階から下を襲う津波を写す場面は、カメラの位置としては感心できなかった。襲われる人の視線に限定したほうが良いのでは?

実際の津波は、おそらく内部は泡や汚泥で何も見えない状態のはず。流される人は周りを見るなどちょっと難しい、我々もいったん流された人を直ぐに見失ってしまう、そんな状態ではないか?いかに美しいインド洋の話とは言っても、その点はリアルではなかった。仕方ないかも。

ラストにどんな展開が待っているのか、最後まで予想できなかった。尻切れトンボとは言えないまでも、興奮して終わる、感涙で困るといった展開ではなかったようなので、何かが足りなかったのかも知れない。

ヒロインが逃げる時にいっしょにいた少女の話があったら無理だったろうか?言葉が違うから、おかしな話になるかも・・・

亡くなった人と話したいか考えると、自分はそれほど望まない。祖父や祖母とはいっしょに暮らしていなかったし、認知症で会話が難しい状態になっていたので、諦めがついていたからか?それに両親が生きているからだろう。

もし子供が急死したら、たぶん霊媒師に頼みたくなるだろう。

 

 

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