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2011年11月26日

リボルバー(2005)

- オタク路線にはまった -

刑務所から出所した主人公は、自分を刑務所送りにしたギャング団のボスに復讐を図る。務所にいた間に、主人公は不思議な能力を身に着けていた。チェスの腕と、サギの能力。それらを武器に、主人公が仕掛ける大胆な賭けは・・・

・・・実に凝った作品。ワケが解らない部分もあった。駄作でなんかないのは間違いないのだが、オタクが陥りやすい失敗により、明快さを失っていたような気がする。

主人公を助け、その後は操る人物達は、やや迫力が足りないような印象を受けた。デブの白人のほうは腕力がありそうだったが、本来なら銃をぶっ放すタイプの役柄ではないはず。ややキャラクターとして完成度が足りない印象。銃を放つシーンでは、だれか子分に救出させれば良かったのでは?

もうひとりの黒人のほうは、見た目の迫力に欠けていた。黒人である必要もなかったように思う。小柄で華奢な体つきでもいいから、眼光鋭く、敵をひるませる迫力だけは欲しかった。老人でもよかったのでは?

このふたりのキャラクターには完成度と、魅力が必要になる。悪者としても、観客は何らかの魅力を感じないといけない。とことんクールで、非人間的なほど冷静沈着、もしくはただただ残虐で、感情のかけらさえないなど、徹底することで魅力を出すしかないと思う。自ら銃撃戦に出向いて戦ったら、相手がプロの殺し屋なんだから、殺される可能性がある。そんなことをするのは、冷静な人間がすることではない。

女性があんまり登場していなかった点も気になった。主人公に絡む女性が絶対に必要。悪女でもいいし、犠牲になって死ぬ本当のヒロインでも良い。色気の部分を担当する女優が足りなかった。主人公に、なんらかの色気による迷いを生じさせないと、話がドライすぎる。

筋書きの複雑さや、どんでん返し、映像的な見せ場にこだわり過ぎて、全体としてのエンターテインメント的観点、バランスに問題を生じてしまったのではないか?

主人公は、他の映画では激しい殴り合いを演じているのだが、この作品ではそれを封印し、ギャンブルや騙しの才能で戦っている。キャスティングとしては、肉体派でない役者を主人公にしてもよかったのではという疑問もある。

半分狂ったような病的な思考に陥るので、楽しい映画ではなくなっている。もっと楽しい、子供でも解るようなワクワクする騙しあいのスリルを描いた映画ではいけなかったのだろうか?緊張感を持たせたギャンブル関係の映画だと、昔ならハスラーやシンシナティ・キッドを思いだす。今とは違って単純な設定で、演技や演出の力でスリルを維持しようと工夫がなされていた。それではいけないのだろうか?

作品の印象を上げるためには、観客が主人公に同情するか、カッコよさ、徹底ぶりに感心する必要がある。弱くても懸命に戦えば構わないし、とことん狡猾でクールでも良い。でも、この主人公は共感、憧れの対象としては解りにくい。

陰惨なシーンも多いので、子供向きの作品ではない。恋人と観ても、とにかく女がほとんど出てこないような妙な作品なんで、あまり勧められたもんじゃない。オタク的な映画が好きな人なら喜ぶかもという限定された作品。

 

 

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