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2011年11月17日

アルマゲドン(1998)

- 無重力など無視! -

小惑星による地球の破滅から逃れるため、石油掘削のプロ達が招集された。彼らを惑星に飛ばし、核爆弾で進路を変えようという作戦。一行は無事宇宙に旅立ったが、宇宙ステーションでトラブル発生・・・

1998~1999年の年末正月映画。エアロスミスの主題歌も、映画も大ヒットした。ところが、当時はバカにして劇場には行かないまま。エアロスミスのアルバムを久しぶりに聞いていたら思い出して再見。

いやあ、全くひどい映画。宇宙で人間が重力を無視して普通に歩いているし、煙も上に立ち上っているから、小惑星には大気があることになる。って、完全に科学を無視している。宇宙空間でも素手で作業しそうな勢い。気にならなかったんだろうか?

芝居がかった演技が目立ち、安易な冒険精神が栄光につながる、愛情や友情が型通りに織り成す物語は、いかにもという路線。学生演劇の発想を、大掛かりなセットで大規模にやっちまったという感じ。

でも、いかにもアメリカ的な映画で、徹底している点で好感を持つ。確かに何かの勢いがある。圧倒的なものが。ロッキーの作り方にも近い熱情が。それが最も大事なのかも知れない。思い出せば、松田聖子が出演していたのも話題になった。本当に小さな役で、意味のない、演技もへったくれもない役柄だったが。

製作はブッラッカイマー。当時のスターであるブルース・ウィリスなら、宇宙服なしで宇宙遊泳が出来そうな勢いがあった。華々しい活躍ぶりで、無重力を無視しても、観客は大喜びだったようだ。この作品は相当なヒットだった。いまだにラストシーンで恋人が抱き合うシーンや、宇宙船に乗り込もうとして並んで歩くスタッフの姿がパロディとして度々描かれている。

良かった点は、印象に残るカッコづけたシーンの作り方だろう。主人公は、もともと眼を細めてカッコづける俳優だが、この作品では脇役達も充分に味を出して、それぞれに要求されたカッコづけに徹して演じている。徹し方が一定のレベルに至っていれば、科学の常識を無視しても観客の多くは許してくれるのだろう。

生意気だが勇敢な青年役のベン・アフレックは、私的には顔が長すぎて、この役には合わないような気がするのだが、随分好印象を得たようで、彼の代表作とも言えるほどの印象を残した。良い役だった。

娘役のリヴ・タイラーは、目つきがおかしく、まさかヤク中じゃなかろうかと思えるほどの表情も見せていたが、ラストにかけては美しい笑顔で恋人を迎え、映画の盛り上がり、ハッピーエンドの雰囲気を出すのに実に効果的な表情を見せていた。

彼女の父親のタイラー氏も凄い目つきである。プロモーションビデオの顔を見ると、完全にイッてしまってる印象。どうもミック・ジャガーが、ロッカー達に悪い影響を与えてしまったようだ。皆が妙な腰つきで歌わないといけないような条件をつけてしまったし、クチビルがベロンと出ているのは下品ではなくセクシーだとイメージ付けてしまってる。

主人公の同僚達も味のあるクセモノぶり。ロシア人役には明らかな無理があったと思うのだが、どうせ脇役だから、無茶苦茶な行動をとらせても構わないという、実に適当なキャラクターぶりで、かえって好印象につながっていた。これがクールで優秀な飛行士のキャラだったら、絶対に観客は嫌な顔をしていただろう。

危機に際して、ホワイトハウスや軍の幹部達が採る方針には、なかなかのリアリティを感じた。色んな考え方があるもんだ。軍人達が職務に徹すれば、抵抗したNASAの職員は拘束され、哀れな主人公達全員は、見事に吹っ飛ばされていないといけない。抵抗しても何もされなかったのは、実に奇異な印象を受ける。まあ、映画だからか・・・

着想がどこから生まれたのか知らないが、普通なら軍人、たぶん宇宙飛行士か空軍の将校が主人公となって、対立しながら作戦を遂行し、どちらかの犠牲によって作戦成功という話を考えるのではないか?石油掘削業者という発想に、どの程度の意味があったのか?軍人集団だと、キャラクターが面白くないという考えか?

よりマトモな路線では、ドリームワークスが製作した「ディープ・インパクト」があった。こちらはちゃんとした作り方で、さすがにスピルバーグが関与しただけのことはあった。家族愛によるエピソードのレベルも高いものだったように感じたが、やや話が飛び飛びになり過ぎていた感じを受けた。後で知ったが、もともと複数の題材をまとめて作った話らしい。なるほど、飛び飛びになるわけだ。

よく解らないのだが、とにかく全体として魅力的な作品。家族でも、恋人とでも、たぶんしばらくは確実に楽しめる映画だろう。やっぱ、映画はたのしまなきゃね。

 

 

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