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2011年10月 2日

ザ・ライト -エクソシストの真実- (2011)

Warner_bros2010

- 静かでリアル -

主人公は修道士の学校に行き、悪魔祓いの訓練を勧められる。そして実際の悪魔祓いを見学していたが、身の危険が迫ってくる・・・

・・・「エクソシスト」のような派手さのない作品。物が飛んだり、悪魔が姿を現したりはしない。ほとんどは静かな場面。わずかに人の顔に血管が浮き上がったり、傷や出血が写し出される。でも充分な迫力があった。

神父役のアンソニー・ホプキンスの迫力が、やはり凄かったからだろう。妙にスーパーマン的な活躍をしないで、時には判断を間違い、敵にあっさりやられてしまうところが、逆にリアルな戦いを演出していた。怖ろしい敵の力を、爆発や無情な殺人シーンで見せなかった判断は正しかったと思う。

でも、この作品がヒットした記憶はない。役者として有名でも、ホプキンスは大スターではないから、客を呼べる俳優ではない。派手なシーンがないと評判にはなりにくい。

監督は「1408号室」も作った人らしい。そういえば、あの映画もしつこく怖いシーンを繰り返し、ほっとさせて怖がらせる手法の疲れる映画だったが、この作品も疲れる。でも、この映画は完成度に関しては断然優れている。リアルさに徹し、オーバーな表現を避けたからだろう。

子供には向かない作品だが、恋人と観るのには悪くない。ただし、悪夢にうなされる可能性はあるので、ホラー好きな人に限定したほうがいいのは当然。ホラー映画には嫌悪感を抱かれる場合もあると思う。

実話が元になっているらしい。そのことを繰り返し映画でも解説していた。それもリアルさを出すのに効果的だった。

主人公と共演女性のラブシーンはあったほうが良い。心の結びつきを表現できる。もちろん主人公は神父候補生なんで、妄想のシーンであるべきだろうが。

Riteは、宗教上の儀式の意味らしい。忘れていた。

儀式・・・

子供の頃、田舎の地域信仰の祈りの場に参加した。祈っている人の中で、トランス状態になる人が何人かいて、声が変わって別人のように騒ぎ、暴れていた。神父と同じ役割を、シャーマン的な人が果たしていた。あれは、いろんな国の集落で見られる光景らしい。テレビではアフリカあたりの集落で、羽の飾りをつけたシャーマンが担当している。

社会が成立するくらいの知的レベルになると、潜在意識を抑え込んで、別人のごとく生きざるをえない人が多いはず。動物のままでは互いに殺しあってしまうから、何かの感情を整理して仲良くやっているのだろう。

そのような状態は無理もかかる。一定の条件で抑制を外せば、感じていても溜め込んでいた反応が発現されてもおかしくない。見ていて、そんな印象を受けた。だから、単なる反応に過ぎない、意味がないと言っているのではない。

トランス状態では、信じられないことが起こる。思考のパターンが変わり、潜在意識の中の本質に近いものが表現されるのかも知れない。忘れていた先祖の話や、未来の予言のようなことが次々と明らかになる。

私はそこに、神聖なものを感じた。眼で見えるわけではないが、神や悪魔~悪霊を意識するのが自然。単なる発狂や興奮と評するのは無理がある。神や悪魔を見たことはないが、人らしい感情があれば、自然発生的に神聖なるものを感じるように思う。人間らしさにつながるものがあるから、狂ったようになるのだと。

聖なるものへの畏敬は、人への思いやり、共感と通じるものがある。ドライに観察できるのは、その人に何かが欠けているからではないかと疑う。必ず、ではないが。

愛した人を失えば、辛さ、感謝、嘆き、怒りの感情が渦巻く。ああ死んだと、他人事としてドライに割り切ることは難しい。自らの死も意識し、怖れ、抵抗、祈り、慈しみといった感情的な部分に転じるのは普通のこと。愛情 ≑ 信仰と思う。

あのような儀式は必要なものだと思う。精神科に通ってどうかなるような簡単なものではない状態の人は多い。単なるうつ病や、統合失調症の場合は標準的な処方があるから、とりあえず薬を試してみればよいが、潜在意識が関わる場合、宗教的意識が関係する場合は、薬の効果は限定的。ボンヤリさせるくらいの効果しかない。

宗教によってしか解決できない、または限りなくそれに近い状況はあると思う。どんな宗教の、どんな儀式を介するかは個々の問題だと思うが。

 

 

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