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2011年10月16日

少年マイロの火星冒険記3D(2011)

- 一攫千金ならず -

火星人は火星の地中深くに、巨大な地下都市を作って住んでいた。火星人の子供の教育のために、人間の親の記憶を奪い取るべく、マイロ君の母親が拉致される。母親を救うためにマイロ少年は火星人達と戦う・・・

・・・アイディアが雑多にあって、冒険が数々ある作品。火星人が地下にいることも面白いが、火星人達の造形、性格、社会のあり方なども、色んなSFからアイディアをかき集めたかのようだが、全体としてかなり独創的。

協力してくれる人間(グリブル君)も、かなりの強烈なキャラクター。子育てのために人間を拉致するという話は昔の映画でもなかったか?

でも無理も多かった。火星でマスクをかぶる以外の手足はむき出して良いのか?気圧はどうなっていたか?人間の男が火星人の女に顔を赤くするのは、何か異種間の性行為を連想させて、教育上まずくないか?というのは考え過ぎだが、とにかく無理を感じた。

深く考えなければ、子供映画としては高いレベル。テーマも素晴らしいし、ハッピーエンドが予定されているかのような雰囲気、適度なギャグ、なかなかの試練。子供向き。恋人といっしょに観ることは、さすがに幼すぎて勧められない。

おかしかったのは、ゴミ処理場に落ちた主人公が、「お母さんだよ!ほら、お掃除をする。」「お・・お掃除。お掃除。」と、火星人達に真似されるシーン。ダンサー達が動作を真似て踊りだすところが最高。

問題の変人グリブルのイメージ兼声優は、ダン・フォグラーという俳優らしい。「ファン・ボーイズ」でも変人役を演じていたデブ俳優だが、確かによく考えたキャラクターだったかもしれない。でも、どうやって十数年生きてきたのか、何を食べ、何から学んで機械を作っていたのか、そのへんの説明はいっさいなかった。

登場するキャラクター達の表情は、人間の名優に近い、非常に微妙なところまで表現していた。動作もややオーバーとは言え、リアル。ピクサーを吸収したディズニーは、ロバート・ゼメキスが関係しているCG会社も保有しているらしいが、そこの技術で作られているらしい。今回は表情もかなりキャプチャーしているのかも。俳優達は顔に点々をつけて演技していた。

確かに素晴らしい技術だったが、会社は解散することが決まっているようだ。技術は残るかも知れないが。完全なCGでも、動きは再現できると思うので、わざわざ俳優達が衣装を着けて飛び回る必要性は低いと思う。

ダンサーや喜劇役者達の動きをたくさん記録して、膨大な数のデータファイルを作ってしまえば、後はそれをCGを使っていかようにでもできる。もはやデータ取りの必要はなくなる。会社は解散し、データはディズニーが使うのも問題なしってこと。

火星人達のセリフに関しては、相当に念の入った検討がされていたらしい。メイキング編によると、言語学的な検討をして、ほとんど新しい言語体系というべきものを作り、それにそってセリフを言っていたらしい。恐れ入った念の入れようだが、それほど効果が感じられたかは不明。

そういった、完全にオタクのレベルに入ったスタッフのいる職場は、さぞかし楽しかったろうと思う。アイディアが大ヒットにつながれば、一攫千金にもなりうる。ピクサー出身のジョン・ラセター監督などは、まさにそんなことを体現した人物。でも、この作品ではそれは望めないようだ。斬新とは思えない。素晴らしい技術なんだが、まわりのCG映画も素晴らしいので、インパクトには欠けている。

一攫千金を狙うなら、また新たなブレイクスルーが必要だ。3Dの次は何だろう?

 

 

 

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