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2011年9月14日

トロン:レガシー(2010)

- 画期的前作の名残り -

失踪した父親から謎の連絡が入り、主人公は電脳世界への冒険に出発する。そこに君臨していたのは、若き姿の父親。しかし彼は父の真の姿ではなかった・・・

最初の「トロン」は1982年だった。まだ当時はマイコンと言っていた時代かもしれないが、徐々にコンピューター技術が進化しつつある頃で、実に斬新な印象を受けたものの、その画像の見にくさが失敗の印象もあった。ブラウン管の技術で集積回路を表現しようとしたかのような、ボンヤリした暗い画面。

でも、電子的な世界に実物が混入というアイディアを、上手く表現していた。

今回の作品はよく見える。CG技術が格段に進化したからだろう。登場人物たちの表情も理解できる。

回路の線を引くかのようなバイクの動きと、それにぶつかった時の倒れ方などは踏襲されていた。より画像が細かく、動きを表現する画素数、コマ数が増えて自然に見える点は随分違う。

もっと思い切り新しい技術を使っても良かったような気はした。「マトリックス」も似たような作品なんで、壁抜け、瞬間移動、変換処理、分解しても元通りといった処理内容を、画面で表現すると面白かったのでは?表現力で負けていた。

一作目でもあったバイク式の乗り物の戦いだけではマトリックスには敵わない。映像を見て、「あっ、これはコピー&ペーストをイメージしているな」などとピンと来るような表現が欲しかった。「いいね!」ボタンで観客が沸いている姿なんて、今風で良くないか?

主人公よりジェフ・ブリッジズが目立ったのは仕方ない。キャリアが違うし、初回作のイメージ=ジェフだったから。でも主人公の演技は悪くない。サッカーの本田選手が似ているような・・・

家族の関係の表現は、さすがにディズニー、短い時間で的確に表現していて感心した。ただし、父と子の再会が意外にあっさりしていたのは解せない。涙でウルルとさえしていなかったのは、意図的にそうやっていたようだったが、効果的だったとは思えない。

電脳の世界では、親子の感情もドライなのか?

カンフーバトルなどに挑戦していたら、迫力は出たかも知れないが、オチャラケ映画になっていただろう。カンフーには飽きた。しかし、銃撃戦とカーチェイスだけではアクションとしては盛り上がりに欠ける。要はスピード感、視野の急速な変化、コピーや変換を軸とした変化の表現だと思う。

もう少し感情に訴えるような作り方もあったのでは?「父と恋人といずれを助けるか?」「人類にこのような現実的な危機が迫っている。」そのような切迫感につながる要素が欲しかった。

切迫感がない関係で、家族で観れる作品にはなっているものの、画期的だった前作を知る私世代としてはちょっと惜しい気がする。

 

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