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2011年9月24日

アンジェラ(2005)

Europacorp

- パリの美しさを再認識 -

借金まみれで脅されている男が主人公。男はついに自殺を覚悟するが、となりで自殺しようとした美女を助けてしまう。美女は男とともに行動し、問題を次々と解決していく・・・・

・・・白黒の映画。パリの街並が非常に映える。あらためて、そのインフラ、構造美、規模の凄さに驚く。カラーよりも美しく感じるのは、すすけた部分も陰影として写るからと、もともとの構造美が強調されるからかも。

広大な土地があるから自由に計画できた面もあると思うが、幾何学的な計画道路は広いし、橋の欄干の飾りに至るまで芸術作品のように美しい。予算はどうだったのか、気になる。

広大な農地の割に人口は少なめだから、効率が良いのだろうか?ヨーロッパ全体の文化の中心で、植民地も多かったし、金も人も集まる一大拠点だから、色々あっても財政は豊かなのだろう。

東京は人口の規模はパリより大きいが、建築物の美しさは目立たない。日本的な装飾をつけた建物も皆無ではないが、橋や道路に構造美は感じない。新宿のような奇怪な大繁華街は美しいネオンを見せてくれるが、美しさに違いがある。

フランスという国は独特の考え方をする。政策は冷徹だと思うのだが、戦争ではよく負けている。戦略的には生き残るが、途中の戦闘では伝統的によく負ける。イギリスにもドイツにも負ける。でも、長期的には経済覇権を確保し、繁栄している。もともとの国力、有利な資源があることと、戦略のなせる技か、それともただの偶然か?

でもアメリカが存在しなければ、今でもドイツの一部ってこともありえないわけではなかったかも。そうなると、さすがに荒廃していたか?いや、おそらくはしぶとく繁栄し続けていたに違いない。原子力に関する政策も独特。福島の事故の後でも、今のところ原発を減らすつもりはないらしい。地震が少ないから許せるとは思うが、ドイツとは対照的。産業の衰退を懸念しての冷徹な判断だろう。

だが、その判断が周辺国に害をもたらす可能性があるとも言える。仮にテロでどこかの発電所が攻撃されたら、被害はヨーロッパ全域に及ぶはず。最も人道的な行為と、最も冷酷な判断が共存する国のように思う。

作品の出来も良かった。

感涙に浸るほどはなかったと思うが、古典的なストーリーに味付けを上手くやった印象。家族では観にくい内容もあったが、恋人と観るのは悪くない。極端に深刻でもなく、極端に笑う映画でもないので、まあまあ良かったねと落ちつくのでは?

主人公は、できれば美男の小男が良かったと思う。恋愛感情が生まれる時に、真実味があったほうが良いから。ブサイクな根っからのコメディアン役者では、肝心の部分で共感を得にくい。

ヒロインは大変に美しいモデルさんだったが、モデル出身でも肉が付いた、ややグラマー系美女、しかも演技力の裏付けのある人が良かった。身長180センチある必要はなかったと思うが、もう少し肉があっても良かったのでは?

猛烈な力で、ギャング達を皆殺しにして、銃を乱射する極端な女でも良かったのかも。残虐、凶暴な女が無茶苦茶な行動で主人公を助けるギャグ的な路線もありえたと思う。そうすればヒロインは印象に残る。作品もヒットする。

日本でも作れそうなストーリーだが、この手の作品は、なぜか印象に残る夢物語になれない。主人公の演技が噓くさくなりやすいからだ。この作品も、もしかしたらフランスでは噓くさく、テーマが古過ぎ、ヒットは望めない企画だったのでは?

感動する作り方は、最初から諦めていたのかも。感動を狙うと、ストーリーから考えて臭くなりすぎるから。

冒頭で登場する不良たちにはリアルさを追及していなかったようだったが、笑いの要素のない極悪不良でよかったと思う。ベッソン監督の映画では独特の妙な不良たちがよく登場しているが、意味のない趣味だと思う。

 

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