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2011年9月19日

ナッシング・トゥ・ルーズ(1997)

- ヤケクソと言葉狩りについて  -

愛する妻の不倫現場を目撃して放心状態の男と、彼を襲った黒人の男が仲間になって強盗を計画する物語。しかし、さらに彼らを襲う強盗達がいた・・・

・・・白人のエリート会社員は、昔だったら絶対にダン・エイクロイドが演じるべき役柄。ティム・ロビンスは本来なら喜劇よりシリアスドラマで受けるタイプ。ぶっ飛んだ状態の時もノーマルに見えてはいけない。

驚きと失望のあまり、狂気に走る人物なら、眼に狂気が宿った表情が必要。ティム・ロビンスは打ちのめされていたが、狂気の表現が足りなかった。泣く、焼け酒をあおるなどの演出も必要では?

相棒の黒人役のマーティン・ローレンスは良いキャスティングだった。エディ・マーフィーとかぶるキャラクターだが、小柄で本来は真面目そうな良き父親をイメージさせる雰囲気が、役柄に最適。色気が先に立って独身が似合うエディ君とは微妙に親しみやすさが違う。

ヤケになって失うものなど何もない、命など惜しくないという状態になった人物が無茶をやらかしたら・・・という設定は面白い。もっと派手にやらかしても良かったかも。暴走ぶりを強調して、とんでもないイタズラ、死にそうな危険行為を徹底的にやり、正気に戻ったら、膝がガクガク・・・なんておかしい。

登場した時は思い切り上品で、丁寧な仕草と言葉使いの目立った人物が、いっきに悪態をつきまくる豹変ぶり、というのが普通の流れだったと思うが、徹底すると確かにエディ・マーフィー風映画になって、くさくなるから遠慮したのか?

(現代ヤケクソ考)

ヤケクソで思い出すのは先の大臣で、福岡県出身の議員。「アイディア出さない県には金も出さないぞ。」と言ったらしいが、そのまさにヤクザかチンピラのような言葉使いで、理解できない人物。失うものがなかったのか?そんなはずはないが・・・

確かに県が何を要求するか明確にまとめないと、国として予算配分は判りようがない。急いで復興案を出せと言ってるのになぜ出さないんだ、と怒って言ってたのかも知れないが・・・

「放射能をつけるぞ」とふざけて、辞職した議員も最近いた。酒飲み友達となら問題にならないかもしれないが、記者相手にやっちゃったらどうなるか想像がつきそうなものだ。言葉使いからはヤケクソとは言えないようだったが、選ばれた議員のする行動とは思えない。酔っ払っていたのか?

ただし、非公式な場で言った、もしくは言ったかどうかはっきりしないコメントに対して責任を追及して良いのか、そのへんには違和感を持つ。もともと社会党系の議員だから、役人もスキを狙っていたと思うし、記者の中にも良からぬ計画があったのかもしれない。

原発を減らされては困る勢力は、隠然たる力を持っているから、美人局や揚げ足取りのチャンスを狙うように、常に構えているはず。

「原発周辺は死の街」というのは、もしかしたら文字通りそうかもしれない。人がいなくなって、不気味さが漂う街を表現する言葉として、間違いではない。怒りと悲しみを感じつつ、死の街をなんとかしたいという感情で言ったなら、むしろ正しい。

現地の人の感情を害するのは確かだから、気を使いながら使うべき言葉だとは思うが、大臣の資質に関係するというのは言いがかり。言葉狩りという流行語があるが、まさに悪意だけ、足を引っ張るだけ。

患者に向かって「あなたは癌で、既に死んだも同然。たぶん助かりません。オレが勧める治療に納得しないなら、早く退院しなさい。」というのは、本当にそうかもしれなくても人として絶対にマズイ。ほとんどヤケクソ。

同じ状況でも、「あなたの癌は今の医学で治癒は難しいけど、痛みは感じない工夫はありますし、いろいろ対処はできますから、ともに考えましょう。」というほうがずっと良い。でも、医者が癌と言ったから患者が気分を害した、訴えるという論法をされたらかなわない。なかには、そんな人もいる。

原爆が落ちて良かったといった議員もいた。長崎県出身者に限らず、日本人ならありえない言葉。彼はヤケクソではなく、どうも論理的に考えた本心だったような印象。いずれにせよ公的な場所で述べたのだから、問答無用で責任がある。これは言葉狩りされても仕方ない。

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