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2011年9月 2日

ネバダ・スミス(1966)

- 当時の雰囲気 -

ならず者に両親を殺された主人公は、復讐の旅に出る。途中で拳銃などを修行し、敵を一人一人追い詰めて行くが・・・

・・・スティーブ・マックイーンは不思議な俳優だった。反逆児のような行動を実際にもとるし、映画の中での役柄も独善的、役柄と実際のイメージが近い。イメージを大事にするハリウッドスターの、当時の代表格だった。

西部劇よりも、現代劇の出演のほうが多かったと思うが、荒野の7人も印象は残っている。極端に体力がある方ではないはずだが、倒れた男を軽々と抱え起こしていたから、細い割に腕力はありそうで、身のこなしが軽く、反応が素早く、タフそうなイメージがあった。

スタントなしでやっていたように見えた。馬に引きずられて水辺を行くまでは許せるが、砂利の場所もあった。あれは痛かったに違いない。

この作品では青年から大人になる期間を演じ分けていることがよく判った。単なるカッコづけの俳優でないことが明白。後半部分のガンマン姿は本当にカッコイイ。表現力と雰囲気の全てが高いレベルに達している印象。でも、さすがに表情はくさいと思う。

この作品には原作があるようだ。長い小説のようなストーリー。親の敵が既にバラバラになっていて、一人ずつ復讐する長い話になっており、大河小説のような壮大さを感じる。途中で教会の神父の世話になって、かなり真面目な展開もある。単なる娯楽西部劇ではない。

西部に限らず、途中では湿地帯の中の収容所にまで場所が移る。復讐劇だけでなく、脱走劇、恋の話、インディアンとの出会い、師匠とのふれ合いなどなど、たくさんのエピソードが挿入されている。

復讐に来たのではないかと疑われて、母親の形見を見せられる、名前を呼ばれるなどのテストをやられるシーンが面白い。観客は「ばれて銃撃戦に今なるか?」と考える。本性を隠すときの反応が微妙で、上手かった。

ただし、やはり無理はあった。名前を呼ばれて疑われるのは、普通は新参者のはず。そのまま気づかれずに仲間に残れるのはおかしい。カール・マルデンは、もう一度テストをしたくなったはず。もしくは面倒を避けるために、あっさり殺すだろう。

証拠になりそうな品を長く持ち歩くくらいのヌケ作なら、長生きはできない。何事も慎重に、ミスにつながりそうなことを避けないと、荒野で生き残ることはできない。本来なら最初から主人公を殺すくらいの用心をするのでは?

芝居がかった微妙さは、今は受けない。この作品は映画らしい映画で、名画の域に入っていないかも知れないが、当時の映画の雰囲気が残る、なかなかの作品。今なら、おそらくもっと残虐なシーンが増えるし、濡れ場も激しいヌードになるだろう。

そもそも話が長く、場面が変わりすぎて、今の観客には受けないかも知れない。単純な設定を好む客が多いような気がするが・・・

カール・マルデンとのラストシーンには記憶があった。何かの名場面集で見たことがあったのかも知れない。終わり方としては、かなり変わっている。普通は観るのに障害のない荒野で互いに銃撃し、主人公も傷つくことが多いが、一方的だった。

絵としては大きな岩が邪魔になったような気がした。川のほとりが坂になっている関係で敵の全身が見えない。平らな所に場面をわざわざ移して派手に殺すのが普通の映画だが、この作品はリアルかも。岩に隠れたほうがやられるのは不自然だが。

この作品は、たぶん今の若い人、子供には受けない。恋人と観て受けるかどうかも。よく解らない。年配者なら受けるだろう。

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