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2011年8月 6日

ナルニア国物語・第3章:アスラン王と魔法の島(2010)

- シリーズ中最高 -

主人公達兄弟の下二人は疎開して、従兄弟のユースティスと喧嘩しながら生活していた。ある日、海の絵を見ていたら、突然ナルニア国に戻されてしまった・・・

ナルニアシリーズは、第一作も二作目もテンポが遅く、CG技術が凄いだけの、退屈な作品と言う印象。よく続編を作ることができるなと感心していた。したがって劇場では観ない。子供達が観たがっても、絶対に下らないから観るなと言った。

でも間違っていた。この作品は前二作とは趣が違う。

Photo

最も魅力的なキャラクターは、兄弟ではなく従兄弟のユースティス君。イジワルでひねていて、暗い性格のうえに生意気という救いようのないキャラクターを、いかにもという表情で演じていた。よく選んできたもんだと感心した。

兄弟たちのキャラクターには失望していた。普通なら暴れん坊、臆病、女々しい、計算高いなど、特徴が際立つキャラクターをそれぞれに配置して盛り上げようとするはずだが、この物語では特徴のない普通の兄弟にしか見えなかった。物語の設定の意図が測りかねる。あまりに宗教的な要素を盛り込み過ぎて、自由な物語になれていなかったのかも。

今回はディズニーではなく、20世紀フォックスと関連するプロダクションが中心となって作ってあったので、演出の趣向が違っていたのか?海賊達が旅する冒険物、オデュッセイア風の活劇になっていた点も、今までとの違いかも知れない。

それに人間の欲望を引っ掛ける様々なワナの仕掛けが、かなり人生訓めいた真摯な話になっている。教育上よろしいような内容だった。

そのため、この作品は子供にはお勧め。恋人にもお勧めかも。あれ買えこれ買うと強硬に主張し、不必要だと私が一言でも言おうもんなら家事を放り出してしまう家内にも勧めたい。人の欲は災いをもたらす。やはり人間は我慢、自制が必要なのだあ!

もっと本来の娯楽性を強調する道もあったと思う。この作品でも妙な怪物達がたくさん登場していたが、今や他の映画でもCG怪物はたくさん出てくるし、もうロード・オブ・ザ・リングやアバターなどで美しいCGにも慣れているから、よほどの売りがないと興味は引きにくい。大ヒットは最初から難しかったのかも。

古い童話を見るような作品、子供だましで期待薄のような先入観を感じる。それが興行成績に関係しているのか?

ユースティス君の変化は素晴らしかったし、彼の感情の変化を納得して観る事ができたから、演出は素晴らしかったということだろう。兄弟やカスピアン王子はやや霞んでしまった感もあったが、役割は果たしていたと思う。

CGは本当に美しい。魔法の館、登場する怪物達の画像の完成度は高い。海や砂浜、波も美しかった。ただ、せっかくだから、アスランの王国にはいる海の壁は、カメラの位置を下げて、光の影になるような感覚、パイプラインの中にいるような影~青さを使うと良くなかったろうか?

テンポに関しては、独特のトロさが続いている。イギリス風の所作が必要だろうし、他の物語よりも宗教色が強いので、いちいち丁寧にお辞儀したりする関係もあるだろうが、多少のスピードアップも考えたほうがよいかと思った。

このシリーズの面白い点は、活躍したキャラクターが、あたかも卒業するかのごとく、去っていく点。前回まで活躍した兄、姉が退場したように、今回はネズミ君が退場していた。人気キャラクターが退場すると次回の中心が誰になるのか?と心配になるが、次々と魅力的なキャラクターが新たに登場する戦略なのかも。

 

 

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