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2011年7月10日

ウォール・ストリート(2010)

- 欲と投資について -

シャイア・ラブーフ演じる証券マンは、恩人を失う。何者かが偽情報を流し、恩人を破滅させたらしい。彼は復讐のため、伝説のトレーダーであるゲッコーに接近するが・・・

DVDで鑑賞。さすがに映画館に行く気はしなかった。マイケル・ダグラスとチャーリー・シーンが絡んだ第一作から既に23年も経っていたとは。ちょっと出演していたチャーリー青年も随分齢を取っていた。

シャイア・ラブーフが新しい「チャーリー」的役割を演じていたが、ちょっと若過ぎるのか、違和感を感じた。もう少し年上、30~35歳前後の役者のほうが良くなかったろうか?キャラクター的に深刻さが出ない印象。

相手役のキャリー・マリガンにも違和感あり。どのようなキャラクターだったのか、よく理解できず。気丈な女?不幸を嘆く人物?意地っ張り?かわいそうな娘?

金銭がらみで婚約者と仲違いするなら、結局は金銭欲の呪縛から逃れていない人物なのか?金のことはどうでも良いわけではなかったような・・・

金銭欲のない人物をヒロインにして欲しかったとは思わない。単純で、はっきりキャラクターとして解りやすい描き方をして欲しかった。もっと目玉が大きくて、眼力のある女優のほうが良かったのかも。

途中のパーティーシーンは良かった。宝石を見せびらかすかのような女性達の姿を、皮肉たっぷりに見せていたが、確かに富を誇らしげに見せる人種は、あんなものかも知れない。

家内も洋服にはこだわる。うっかり誉め忘れると非常に険悪なムードになる。高級車に乗る男や、ブルガリの装飾品をさりげなく着ける人物や、アルマーニの背広を着こなす人には、それなりの感覚があるのだろう。

海外の金持ちはケタが違うので、そんな中で育ち、子孫も巨額の財産を引き継ぐ人間は、ジャージ姿で育ってきた私と同じ考え方をするはずがない。私と話しても「何か違うな」と感じるだろう。軽蔑の意味じゃなくても、相容れないものがあるに違いない。

ゲッコー氏の描き方は悪くなかった。ストーリーの中の大半は抜群のキャラクター。できれば、とことん冷酷のままであって欲しかったが、それもさすがに無理がある。娘くらいには甘いところもあってよいと思う。

敵役もなかなか良かったが、何回かどんでん返しのゲームがあったほうが、さらに良かったと思う。勝ったと思って、ひっくり返されて、残念だったねと慰めあっていたら捨て身の逆転勝利の道を発見、というのが盛り上がりの鉄則。汚い犯罪、暴力、脅迫などの凄みがあっても良かったかも知れない。話がきれい過ぎた。

復讐劇としては、やや鮮やかさに欠けた。親子の愛憎劇としても、金銭がらみの浅はかさが感じられた印象。ドラマとして見ごたえはあったが、それは役者達の迫力や、演出の技量によるもので、ストーリーや企画力のおかげではなかったように感じた。

そういえば、サブプライムローンがらみの暴落の後でも、米国のGDPはたいして下がっていなかったことを後で知った。世界恐慌、この世の終わりのような言い方をしていたが、実質は違っていたようだ。金の流れは大きく変動したが、米国経済の規模拡大は続いているし、株価も徐々に盛り返している。

日本の低成長はひどいが、それでも完全な縮小に入ったわけではない。企業も重点を海外に移しているだけで、過去最高の収益を上げる企業がないわけではない。やはり欲に終わりはないので、成長分野、効率的な発展地域を探して、金の動きが止まることはないようだ。

自分の周りには金が集まる気配がない。トホホ状態。

でも当然。医者になろうと考えた時点で、金儲けは諦めている。儲けている病院は確かにあるが、基本的に医療の市場は縮小分野なので、大きな予算をかける=大きな借金をするのは、勘違い人間のすることと個人的には思う。

要領が良ければ、もちろん投資分を回収はできるが、効率から考えて、他の分野ほど投資の魅力が感じられない。成長分野に投資するのが基本。多少の要領、規模を競っても意義は薄い。チマチマと会計して、心のこもった医療に徹するのも悪くない生き方。

そんな私に家内は「ふーん、あんたは欲のない聖人君子気取りねえ。」みたいな言い方をする。もうちょっと肉食系の野心を出せということらしい。確かに、事業家としての意欲、迫力は自分にはない。最初から考えてないから、実に粗末なクリニック。

大成功した病院は多い。昔だったら外科手術、近年ならMRI、大腸カメラ、透析の技術で大きな仕事をしている。時期を間違えなければ、確実な成長が見込める領域だった。でも終わりは来ている。

医療は成長分野とは思えない。人工臓器や移植は大きな金が動く分野だろうと思うが、個人の収入にはつながりにくい。政府には医療ツーリズムという企画があるらしいが、難しいと思う。医薬分業などの管理部門に予算を使ったのがまずかったのでは?新薬の開発、新技術の開発などの成長を期待しうる部分に予算をつぎ込むべきと思う。

もちろん薬を適当に管理してよいとは言わないが、発展を考えるなら重要なのは管理より技術。国は、これを忘れているのでは? 院外薬局を増やしたことで、巨額の医療費を薬局に流す結果になったが、それだけの意味が本当にあったのか?

エネルギー関係の技術革新、配電などの規制緩和などが条件になって、凄い金の動きが生じそうな気配はある。孫正義社長の動きはあざといが、時代に即しているという点では批判できない。エネルギー関係の権益の再配分は必要だろう。

巨額のタンス預金~郵便預金等を抱える日本は、きっと投資の余力は凄まじい。明らかな方針が出て、こいつは成長分野だ!と明白になれば、海外資本を押しのけてでも投資しようという動きが出てくるはず。狂ったようなバブルは、政策次第で直ぐ先にでも起こりうると思う。

思い切りショボイクリニックをやっているんで、国の方針に口出しできる説得力は全然ないのだが・・・

 

 

 

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