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2011年7月23日

マイ・ブラザー(2009)

- 暗すぎ -

優秀な兵士の兄と、ヤクザものの弟の物語。兄がアフガニスタンに出征し、帰らぬ人となる。兄の妻と子供の面倒をみる弟には、いつしか・・・

・・・原作があるらしいが、登場人物をアメリカの兵士に置き換えて映画化したそうだ。確かに今風の設定で、タイムリーな映画と言えるかも知れない。

この作品は子供には絶対見せられない。テーマが暗すぎる。陰惨なシーンもある。トラウマになるかも。したがって家族で観る映画ではないし、恋人と観るのも勧められない。「万が一、オレが単身赴任中に・・・」などと、要らぬ心配が起こらないとも限らない。

主演のトビー・マグワイアは、ずいぶん痩せていた。役のためにダイエットしたのか?兵士役には不向きな印象だったが、異常者役としては実に上手かった。完全に狂っていないところがリアル。

ヒロインのナタリー・ポートマンにとっては実に魅力的な役だったと思う。美人であることが強調される作品なんで、目立ってもいい。もう少し色っぽさを強調したシーンがあっても良かったかも。彼女は最近のっている。

この作品で、実際に濡れ場があったらどうなっただろうか?作品のレベルはあがったのではないか?綺麗ごとで済ませたのは、興行的にはまずかったはず。

ゲリラ達が捕虜の協定を守るはずはない。

イラクやアフガニスタンに進駐したアメリカ兵が現地で拉致された場合は、当然ながら残酷なリンチに遭うことが予想される。運よく捕虜の交換があれば帰れるかもしれないが、多くの場合は殺されるシーンをビデオに収められる結果になるのでは?

ゲリラ達にとっては、アメリカ軍兵士は百%侵略者であり、人間として扱うことは到底できない。人道を問題にするなら、最初から来るなと言いたいだろう。アメリカが撤退したら、いったいどうなるのだろうか?

諜報機関は機能を残すはずだが、実働部隊は現地人になるだろう。米国の圧力は、基本的には金や現地での出世、国外での暮らしの保障といったことが材料になるだろうから、そんなのを無視した人たちには効果的とは言えない。アフガニスタンの産業が発展し、商売のために国家の安定を優先する人が多数派にならないかぎりは、宗教的な正当性が優勢となって、またタリバンが浸透するのでは?

捕虜にならなくても、戦場にいただけで精神異常を来たす兵士は多いと思う。ゲリラには女性や子供も多いから、自分が殺したゲリラの中に小学生くらいの子供を見つけたら平気ではおられない。

太平洋戦争時代は、米軍の装備、兵器の性能は圧倒的だった。ゼロ戦から銃、手榴弾に至るまで、殺傷能力で圧倒できたから、敵がいかに勇敢でも退治できた。今でも兵器の性能は上だろうが、敵に小型ミサイルなどを持たれると、防ぐのには限界がある。基地にいても狙撃される可能性があり、心が休まる暇がない。

映画のテーマとして日本人の興味をそそられる気はしないが、アメリカ人たちは違う感覚で観たいと思えるのかも知れない。

兵士の家族というのは日本にはない。自衛隊員の子弟が自衛隊に入る場合は多いはずだが、兵士として戦地にいくわけではないので、基本的には普通のサラリーマン家庭のように家庭を持つ存在。本物の兵士とは違う。

海外派遣が恒常化すれば、本当の兵士と同じように長い間家族と離れ、場合によっては死ぬこともありえる。長い間の別居で、夫婦の間に何かの変化が起こることも起こりえるだろう。

兵士が亡くなった場合は、残された妻がどうするのか難しい。家を守るために弟と結婚してもらうことも当然ありえる。

母の実家は南方で2人戦死してしまったが、残された妻は再婚して縁が切れてしまったそうだ。戦功を立てて勲章をもらったそうだが、その勲章を妻が持っていったのは許せないと母が何度も言っていた。再婚するなら、相手の男性のことを考えても持って行くのは確かにおかしい気もする。

細かいことも含め、遺族には様々な悩みがある。生活をどう成立させるか、子供の教育や、そもそも再婚するかどうかなど。繰り返されてきた問題で、万が一生きて帰った場合には、やっかいなことになる。

でも、日本では現実的な話ではない。幸いにして今のところは。

 

 

 

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