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2011年7月15日

キャッチミー・イフ・ユー・キャン(2002)

Kyattimi 

- 若きレオ様は素晴らしい -

実在の詐欺師アバグネイルの自伝を基に作られた作品。監督はスプルバーグ、主演はディカプリオとトム・ハンクスというスター、脇にはクリストファー・ウォーケンやマーティン・シーンらが名を連ねる。相当ヒットした作品らしい。

劇場では観なかった。当時は忙しかったし、ディカプリオの魅力がさっぱり解らなかったから。でも、実際に観てみると、完成度が非常に高く、上手くまとまったソツのない作品で感心した。

題材も素晴らしかった。アバグネイルは有名な人物らしい。

多額の詐欺をやったのは、おそらくゲーム依存症のような精神反応もあったのでは?本当に詐欺で生計を立てるためには、目立たないことも大事。必要以上に稼ぐのは、自分の能力や成功に対する過剰な評価ってやつが働いたに違いない。それにしても、凄い才能。

20歳くらいで、パイロットや医者に扮することが可能だとは驚いた。普通なら若過ぎると気づかれるのでは?あちらでは苦労して大学に入る人間が多いから、30歳くらいになって卒業も珍しくないと思う。不思議に思わなかったのだろうか?

冒頭でテレビに出演するシーンがあったが、実際に出演したのかも。ビデオでは、あのシーンはその後が写っていなかった。普通なら最初に戻って、その後のテレビ番組が進行しそうだが、そうなっていなかったのは意外。

バレそうになって主人公がヒヤヒヤする表情と、それを写す微妙な間がいい。観客もバレるかな?とヒヤヒヤできる。いっぽうで、確実に捕まりそうな時に、堂々とシラを切る場面も逆に面白い。見事な嘘を見せられると感心してしまう。

エイミー・アダムスが出演していたが、演技がオーバーすぎる印象もある。ジェニファー・ガーナーの演技にも、多少の無理を感じた。やはり監督は色っぽいシーンが苦手のような気がする。

小切手というものを使ったことがない。振込みなどに使う用紙は、いわば小切手のようなものだが、紙が現金化されるのはトラベラーズ・チェックを少し使った時くらいか?サインなど、いくらでも偽造できそうな気がして怖い。外人達は気にならないのだろうか?

手形が不渡りになるといった取引の経験もない。商売をやっていれば普通のことなんだろうが、銀行振り込み、せいぜい小額のカードでの支払いくらいしかやらないし、やりたくない。現物取引に徹したほうが実感が湧くから。

いまだに神経質に記帳をやっている。銀行員の誰かが口座をいじっても不思議ではないと思うから。小心者と、自分でも自分を笑いたいほど。

若い頃のディカプリオは素晴らしい。今の彼は中年太りの険しい顔の役者にしか見えない。繊細さと大胆さを併せ持つ人物を演じる若き日の彼は実に上手い。特に弱さや悲しさの表現が秀逸。変なアクション物は止めて、本来の役柄に戻ってはどうか?

トム・ハンクスの役柄は、ちょっと意外。悪役を持ってくるのが普通だと思う。しつこく、醜く、時にはアクドイ手段で主人公を追い詰める人物に設定するのが常道。ラスト近くで友情を表すと効果的なはず。きれいなキャラクターでは、盛り上がり具合が今ひとつになる。

父親との関係、母親に対する想いなどを映画の中に上手く盛り込んであって、一種の悲劇としても成立している脚本は素晴らしい。特に父親役のなにげない目線の動かし方は、あの種の考え方の人間がいかにもやりそうな、実に自然な感じ。母親がタバコをやたら吸うのも、細かい小道具。

この作品は子供には向かないと思う。恋人と観るのは、内容的には互いの不信感を煽るようでいかがかと思うが、とにかく作品自体の出来が良いから、気にせずに観てもいいかも。

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