映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« 名探偵コナン沈黙の15分(2011) | トップページ | 魔法使いの弟子(2010) »

2011年5月27日

バーレスク(2010)

- ドラマ部門の改善を -

クリスティーナ・アギレラ扮する主人公の娘が、ロスのショー・クラブ「バーレスク」に潜り込むことに成功するが、折りしも店は破産の危機にあった・・・

・・・バーレスクというと、エッチでおかしい踊りのイメージがあるが、滅多に観られない過去の流行のような印象。実際は見たことないので知らないが、言葉だけは知っていた。キャバレーなどの店の名前としては最適。

この作品のヒロインの声は本物だった。彼女のために企画されたような気がする。今のアメリカで旬の女性アーチストの代表はリアーナ、レディ・ガガ、そしてアギレラではないか?もっと大物もたくさんいるが、旬と言えるのは彼女らだろう。

アギレラは、それでももう31歳。天才少女も、かなりのベテランになってきた。声量があって、シャウトさせると迫力が凄い。踊りは下手糞ではないものの、一流のダンサーほどではない印象。ヒロインとして使うには使い方があると思う。

かっての映画「フラッシュダンス」の時に、ヒロインはほとんど踊らなかったにも関わらず、大して違和感なしに代役ののダンサーが踊っていて、その見事な手法に驚いた。顔が映るシーンと、踊りのシーンを照明や距離で上手く調整して、あたかも本人が踊っているかのように見せることができると知った。観客が簡単に気づかないレベルで合成することも可能なんだと。

それなら、この作品も同様の作り方が可能だということになる。例えばスタイルの良い個性的な顔立ちの若いダンサーを連れてきて、歌は本職の歌手にアフレコしてもらい、演技と踊りに徹するという方法。普通はそのほうが見た目が良くなる。何といっても、派手でセクシーな見た目がないと印象が薄くなるのだから。過去にも、そんな作品が多かった。

この作品は本物志向だったのか、本職に歌わせ、同時に演技もダンスもやらせる勝負に出ていた。歌のステージで見事なパフォーマンスを見せているから、映画でもやれると踏んだに違いない。

Photo アギレラはアップにも耐えられる美しい歌姫だが、スタイル抜群とは言えず、本来は歌が売りで、見た目で勝負するタイプではない。可愛らしいキャラクターを演出してはいたが、ややカマトトぶった感があり、本当に観客が同情し、共感するヒロイン像だったとは思えない。問答無用の見た目の魅力が大事だったと思う。

歌えなくても、「シェルブールの雨傘」のヒロインは美しくて印象に残った。やっぱ、大事なのは見た目よ(綾小路きみまろ談)。

近年のミュージカルで歌手が主演していたとなると、ビヨンセ嬢が出ていた「ドリーム・ガール」を思い出すが、踊りやショーとしてのレベルでは、ドリームガールのほうが上だったように感じた。

「NINE」も素晴らしいショーを見せていたが、本物の歌手はファーギーだけでは?でも、ペネロペ・クルスのダンスシーンは色っぽく、歌も気にならなかった。だから、やはり本物の歌手は必須ではない。

カメラワークや演出効果が進歩して、ダンスの迫力はどの映画も凄いので、今や凄い踊りが普通に感じられるようになってしまった。この作品のショーも凄いんだが、はっとするほどの印象には残らない。

CG中心のダンス映画はまだアニメでしかないようだが、多少は特殊効果を混じた作品はあるだろう。やがてダンサーが一人も登場しないミュージカルも現れるのでは?

この作品の構想がどのように生まれたのか興味がある。監督はミュージカルが得意と言えない経歴のようだが、誰のプランだったのか?

もしかすると、敵役こそ大事だったような気がする。いやらしい性格で観客の嫌悪感を一身に集めながら、あるところで不幸になり、辛酸をなめて生き方を変える、最後にはヒロインのよき友になるなんて感動につながるのでは?

もしくは極めて色っぽい、主役を喰わんばかりのお色気姉ちゃんが登場してヒロインの彼氏を誘惑してしまう。ヒロインは失恋してハッピーエンドの話ではなくなる。敵役は本当の嫌われ役になるが、仕事に対する懸命さが出ていれば、それなりの存在感は出る。そんな敵役が欲しかった。

底の浅いドラマでは、いかに凄い歌や踊りがあっても、限界がある。

« 名探偵コナン沈黙の15分(2011) | トップページ | 魔法使いの弟子(2010) »