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2011年5月12日

食べて、祈って、恋をして(2010)

- リハビリと脳内分泌 -

物書きの女性が主人公。離婚などが契機になって自分の生き方に疑問を持ち、イタリヤやインド、ジャワ島などを旅して自分を探す・・・

・・・なんちゅー暇な女じゃ、などとも考えたが、ヒロインは極めて魅力的で、共感してしまった。スターの魅力のなせる業。

ジュリア・ロバーツの最近の出演作は、正直言って不満なものばかり。色気は薄れてきたし、顔が痩せ過ぎて、額の血管が浮き上がるのが気になる。眼の落ち込みも気になる。もはやヒロインとしては疑問?の段階に達していると考えていた。でも今回は素晴らしい。

アカデミー賞ものの魅力を感じた。何が良かったのか?

まず、笑顔。これは以前から定評があるところ。

次に泣き顔。これもよく考えてあるようで、大泣きはしないし、我慢している様子がよく解るような、上手い泣き方。始終泣いていても観客から反感を買うので、適度に泣かないといけないが、本当に適度だった。演出家が良かったのか、彼女自身のセンスが良いのか。

また、適度に真面目で少し笑える、ギャグめいたコケ方はしないという、ステイタスを守るキャラクターも素晴らしい。大女優の風格を保ったまま演じている。昔の銀幕の女王達もイメージを大切にしていたようだが、彼女も考えが深そう。安易にギャグに走ると、その後がよろしくない。

この作品は大人専用だと思う。少女達には見せたくない。若い女性はちゃんと学校や職場に行って欲しいし、家庭を持ったら家庭を最優先にしてほしい。耐え切れなくなったら仕方ないから、チラとだけなら観て良いが、ヒロインを真似て欲しくない。

縛られた人間が、自分を解放し、生き方を探る機会が時にはあったらいいこと。それだけの余裕があればだが。金がないと休息もできない。

イタリヤで古代の遺跡を眺めて、気ぜわしい自分を振り返るのは良いこと。憧れる。インドで瞑想するのも良いこと。でもマラリアや食中毒は怖い。そんなことばかり気にしているから、大きな勝負ができないんだ私は!

西洋の人は教会で祈ってもダメと感じているのだろうか?確かにキリスト教で全てを救えるはずはないが、インドの道場とそれほど違うとは思えない。瞑想を徹底したいなら、日本の禅道場のほうが治安の面で安全かも。自分が生活する場で何とかしようとするのが基本だと思う。

離婚というのは大変なストレスだろう。かといって破綻した関係のまま一生を牢獄のような環境で過ごすのも愚かだと思う。子供がいる場合は我慢し、いなければ別れるというのが普通の対応。離婚後、しばらくは悩ましい状況だろう。色んなことを、妙に興奮したような脳の状態で考えるので、考えがまとまるはずもない。

そのような時の脳がどのように活動しているのか知らないが、おそらく不必要な神経伝達物質が分泌され、冷静な安定した情報伝達に影響しているんだろう。妙な反応がちょっかいを出して、確信したい時に不安感を感じる、そんな状況か?

脳の内部で起こっていることは目には見えないので想像するしかない。もし、このような反応が起こっているなら、対処法を考えても無駄だ。正常な判断などできるはずがない。妙な神経反応を誘発するだけ。

そんな時には基本的には気晴らししかない。行者のように旅をする、運動を激しくやる、ひたすら瞑想、新しい恋、それらがリハビリの役目を果たすことを期待するしかない。彼女のように金がなかったら、仕方ないから激しく運動しよう。腹筋を一日数百回すれば腹もへこむし、悩んでる暇はなくなる。脳が直ぐに機能を回復することは期待できないが、とりあえず悪化を防ぎ、時間をかせぐ間に対応策を探せる。

ガムシャラに働くのも良い解決策だと思う。収入を確保することと、悩む暇をなくすこと、妙な神経反応が介入する猶予を与えないこと、周囲からも何らかの評価を得る効果が期待できること等々、とりあえずの対策としては最高。「仕事ばかりで、子供の相手くらいしなさい!」などと言うと、症状を顕在化させるかも。何か頑張っていたら、無理に止めるのも考えもの。

旅行前後の彼女の脳のSPECTで、脳の活動性に変化があったか調べる価値があったかも。神経内分泌の詳細は今の画像診断では判定が困難だが、将来は何かのマーカーで判定できると思う。

 

 

 

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