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2011年5月 6日

パリより愛をこめて(2010)

- 恋人を疑うな -

パリの大使館に勤める外交官にチャンスが訪れる。パリに派遣されてくる男の補佐をする仕事だったが、その男はとんでもない暴れん坊だった・・・

ジョン・トラボルタが魅力的だった。今回はスキンヘッドで登場していたが、これも成功していた。

トラボルタは最近はギャングや殺し屋の役が多い。実際にマフィアと関係していそうな気もする。笑顔が素晴らしく、それで大スターの地位にいると思う。笑顔を浮かべたかと思いきや、激しい銃撃戦をやらかす、そのスタイルが最近のパターン。

苦み走ったターミネーター的な殺し屋とは違った、独特のキャラクターになっている。スティーブン・セガールよりもずっと好感度が高いはず。

セリフもよく考えてあった。憎々しげで下品、かつユーモアもある。フランス人の脚本家が、リュック・ベッソンと共同作業で作り上げたらしいが、アドリブも入っていたのかも知れない。間違えると、抜けたセリフをはく格好づけだけの二級俳優になりさがるから、演じきるのは難しい。

共演者も良かった。相手の若い外交官は、もっと恐怖の表情が解りやすい二枚目の男でも良かったかも知れないが、充分に役をこなしていた。目立たないことが必要だった。極端な二枚目では、トラボルタへの観客の注意が薄れてしまう。この作品では、トラボルタが何をしでかすかが大事なんで、共演者が目立ってはいけない。

アクションは素晴らしかった。マネキン工場での銃撃戦はジョン・ウー映画をパクッていて恥ずかしくないのかと思ったが、なかなかの迫力。ただし、後でメイキング映像を見たら、スローモーションにしないほうが、さらに迫力があったようだ。スピードも大事。

謎というか、大きなワナが仕掛けられていたこと、敵の表情なども良かった。完全なワルが悪役となって敵対しても面白くない。今風の設定が良かった。

カーチェイスは普通のレベル。でも編集が絶妙なのか、全編に勢いのようなものを感じた。エッフェル塔のシーンに意味がなかったような気がした以外は、ノンストップに近いアクションシーンとドラマが適度に配置されていたと思う。

テロリストの爆弾の処理を、皆が見ている前でやってよいのだろうか?万が一トラップが仕掛けられていたら、「やったー犯人を倒した!爆弾を解除しよう!」と、いじった途端に爆発するんじゃないか?

やはり専門家に任せよう、捜査官。このあたりは、娯楽作品だから手を抜こうといった安易な考え方は良くない。細かい点にまで検証をすることによって、娯楽作品も芸術になる可能性がある。

この作品は、子供には良くないと思う。残虐すぎる。セリフにも汚い言葉が多いが、子供はすぐ真似する。恋人といっしょに観る作品としては悪くない。ただし、深く考えなければ。相手に何かの疑いを感じる可能性があれば、悪いきっかけになるかもしれない。相手がニッコリ笑っても、「はて、今の笑いの意味は?何かコンダンがあるのか?」と疑い出したら、落ち着いておられない。その点で、この作品の恋人役は非常に存在感があって魅力的だった。

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