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2011年4月21日

ゴールデン・スランバー(2010)

- 学生の雰囲気が大事  -

首相が暗殺された。主人公は周到に仕組まれたワナにはまり、犯人に仕立て上げられる・・・

・・・原作があるらしいが、読んでない。日本の推理小説の映画化でロクなものを観た記憶がないんで、小説も読まないし、映画も誰かが勧めないかぎりは観ない。この作品は家内がお気に入りだったんで、ついでに借りた次第。

結構よく出来ていた。主人公を演じていた堺雅人のトボケた表情が効いていたのかも知れない。観客は「なぜ、この男は気づかないんだ!」と、のんびりした笑顔を見て感じる。人のよさそうな顔は効果的だった。ややオーバー過ぎる印象も受けたが。

今までの映画なら、必死で逃げようとする悲壮感を前面に出すため、真面目な顔をしたアイドルが演じるはずの役だった。もしくはタフな戦いを制するべく、何か武道の心得がありそうな役者が演じるのが常。それで、ほとんどは失敗していたように思う。

役者が凄い迫力を持っていれば、戦いのストーリーの真実味が出てくるが、シュワルゼネッガーのような役者は日本にはいないので、所詮は二級品になってしまう。主人公のキャラクターを自然にする路線は成功の秘訣。

また、学生時代の懐かしさ、花火職人の心意気、失敗への哀感なども、ストーリーに深みを与えていた。劇団ひとりは、いかにも昔の学生風の雰囲気が出ている。ダサイところが上手く出ている。サークル活動の映像がリアルだったので後の物語の理解がしやすく、効果的だった。

のんびりしていた学生時代と、理不尽な現在との比較も、この作品では上手くいっていた。

この作品の主人公には好感を持ったが、非常に自然だったとは思えない。万事がやり過ぎと言える。普通は睡眠剤を飲まされたら、怒るか逃げるくらいの意識は働くだろう。ぼんやりと寝ぼけた状態なら理解できるから、そんな表情ではいけなかったか?

堺雅人には失望することが多かった。デビュー当時の朝の連続ドラマでは役割もはっきりしない役柄だったが、妙にストイックな人物像で好感を持てなかった。群馬県の新聞記者を演じた「クライマーズ・ハイ」でも、不自然な怒り方がキャラクターに合っていない気がした。

おそらく齢をとって皺が増えてくると、好々爺のような味わいが出そうな気がする。今の年齢で既にボケ役をこなしているのだから、老年になるほど価値が上がりそうな気がする。

共演者達の役割分担は適切で、適度な優しさ、適度なおかしさを出せていたようだ。

ベンガルの無表情な表情は自然だった。 柄本明の役割は大きすぎたかも知れない。普通は犯人の可能性がある人物をあっさり信じて共犯になる行動はとらないはず。もともとの友人でない人がやるのは異常。

人妻である竹内結子が排水溝に入ってまで活躍するのも不自然。細かい演出の良さで気にはならないけど、リアルな話とは言い難い。

永島敏行もターミネーターばりの活躍であった。あんな刑事が日本にいるわけないので、もう少し人間的に演じさせても良かったかもしれないが、面白いと言えば面白い。

香川照之は最近の日本映画では必ずのように出演している役者だが、今回は目立ち過ぎた。実際の課長部長クラスは、表立って現場をうろついたりしない。表に立てば、その後に糾弾される可能性があるから、常に指示でそうやったと言い張れる環境を作るはず。こちらも不自然。

この作品は、子供に見せる映画としては不向き。血みどろのシーンはなかったようだが、あっさり人を殺しているし、警察が怖ろしい存在で描かれているから、変な影響があるかもしれない。恋人と観るためには悪くない。

警察が仕組んで犯人をでっち上げるというストーリーは、現在では考えにくい話と思う。戦前は多かったかもしれないが、対象は左派系の活動家などに限定されることが多かったと思う。今の警官達は、かってのように同僚も信じられないはず。万が一バレた場合に、誰も自分を守ってはくれないから、暗躍するのは難しい。

大阪地検特捜部の例以外にもストーリー作りが横行しているようだが、さすがに問題が露見してしまったので、以前よりは慎重になるだろう。 仮にそこらの人が捕まって証拠を並べられたら、反証は難しいと思う。いかようにでもできるから、倫理規定を明確にして欲しい。取調べや審査の公開は必要だろう。

学生時代の部活動でいっしょだった女学生達のことを先日聞いてみたら、独身が非常に多くて驚いた。少なくとも1/3は未婚。医学部に入ってくる女学生は一般に男子学生よりはるかに頭が良いと言える。化粧は苦手だったが極端なブスでもないから、その気になれば結婚相手を選ぶことは難しくないと思うのだが、われわれ周辺の男達がつまらなく思えるのかも知れない。

大変な勉強をして入学し、卒業後も厳しい研修を経て、忙しさにかまけて結婚しそこなったのか、男どもの魅力がなさ過ぎたのか、偉すぎて男達が引いてしまうのか、とにかく竹内結子ばりの魅力的な女子学生たちも、いまやおばさんになっているとの情報で、がっかり。 

 

 

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