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2011年3月25日

オーケストラ!(2009)

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- 女神降臨  -

かっては楽団指揮者だった主人公は、偶然をきっかけに本物の楽団と偽ってパリでコンサートを開くチャンスを得る。かっての仲間を集めて、ひそかに旅立つが・・・

・・・美しいヒロインが目立った。演技力があるのか不明な役柄だったが、顔貌の美しさは作品に絶対に必要なんで、適役だった。演技は上手いが見た目が今ひとつ・・・といったヒロインが登場していたら、誰も映画を続けて観ようとは思わないだろう。

冷たい美貌の持ち主が、やがて心を開くという流れもありえる。もしくは、皮肉めいたことばかり言って険悪な関係だった女性が、涙して和解するといった流れも受ける。そんな演出はなかったようだ。

メラニー・ロランを「イングロリアス・バスターズ」の宣伝の写真で見て、若い美男俳優と勘違いしてしまった。ボーイッシュな感じの女性は美形なことが多い。彼女も怖ろしいほどの美しさ。でも大スターの存在感を感じない。

ナチスやソ連がらみの作品に続けて登場したのは偶然ではないと思う。美形は昔の映画をイメージさせる。悲劇的な話に、美しいヒロインは必須のアイテム。実際にユダヤ系であるらしいことも出演に関係しているように思う。

演奏をしながら指揮者を見る場面は、やや不自然な印象を受けた。自分の生い立ちに関することでも、プロの演奏家なら演奏中には惑わされない、もしくは惑わされないように努力するのが自然ではないか?

作品自体は、ややレベルの低いコメディという印象。あちらのコメディでは、意外に我々にとっては下らないギャグが受けるようだ。古いタイプの映画。

単純なコメディでないところには好感を持った。ソ連時代の抑圧に関しては想像がつく。同情する。

もしかして、劇団員達が経験した抑圧のエピソードを細かく紹介したら、凄い映画になっていたかもしれない。浅ましいかのように見える劇団員のオバサンが、シベリヤに送られてひどい目にあった・・・などと紹介し、直ぐ後にたくましい生活ぶりを見せると笑えるし泣ける。

劇団員がことごとく商売を始めて、練習に来ないという話は明らかにやり過ぎだった。何人かの団員がこっそりやるのは不自然ではないが、全員はリアルさを損なうだけで、少なくとも日本の観客には受けない。

劇場支配人を演じていた俳優はトランスポーターにも出ていたが、オーバー過ぎる印象。ラテン系の映画では、結構あんな演技が受けるのか?昔の東宝映画の喜劇を見るかのような古いノリ。

この作品は家族で観ることができる。恋人と観る作品としても悪くない。ただし、高級、傑作と言えるものではないと思う。

 

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