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2011年3月 9日

ピクニック(1955)

-凄いプロポーズ-

主演 ウイリアム・ホールデン

流れ者の男が学生時代の友人を頼って町にやってきた。彼は友人の婚約者に一目ぼれしてしまう。町は折りしも祭りの最中で、一同はピクニックに行くが・・・

・・・非常に有名な作品だが、初めて鑑賞。DVDの画質は良く、広大な公園で開かれたお祭りのシーンや、穀物倉庫の屋上から眺める農地の風景は美しい。原作があるのか知らないが、もともとは舞台のヒット作らしい。

キム・ノヴァクは21歳くらいで出演しているようだが、確かに非常に美しく色っぽい。でもダンスは苦手ではなかったかと思う。下のシーンで妙な動きをしていたが、動きが怪しすぎた。おそらく色っぽさを当時のモダンダンス風に表現したかったんだろうが、手と足がバラバラだった。

Kimu  

ホールデンの動きも良くはない。ダンスも軽快ではないし、役柄もスポーツ優待生のなれの果てだから確かに必ずしも遊び人とは限らないのだが、それにしても映画で踊るからにはミュージカルスターに近いレベルが望ましい。遊び人というイメージが沸かないと、リアルではない。

ホールデンというと、私の世代では「ネットワーク」「戦場にかける橋」などで渋い演技をする役者というイメージがあるが、あちらの人にはプレイボーイ、セクシーな男優という印象なんだろうか?

この作品での彼の姿勢や動き方は、運動神経が良い人間のようには見えない。セクシーな動きには個人的には見えない。

共演者達の存在感は感じた。

女教師で晩婚の女性の騒ぎ方、やけくそに近いような求婚の仕方、強引ながらも結婚が決まった後の顔つき、凄い迫力だった。

いっぽう彼女と結婚するほうの雑貨店主も、これまたリアルだった。情けない表情、ズボンのはき方からして役柄にピッタリ合わせていた。祭りの後に求婚されて、なだめるシーンが面白い。

あのシーンが個人的には最も面白いシーンだった。主人公達のラヴシーンは上品に隠されていたので、あんまり盛り上がっていない。教師と雑貨店主に焦点が当たっていたわけではないが、映画の構成においては重要だった。

ピクニックという言葉に対する感覚が違うようだ。人があんまりいない野原に弁当を持って遠足に行くのが私のピクニック感だが、あちらは本格的に整備された遊園地のような公園に車で行くことを指しておいでのようだ。

主人公を追って旅立った娘さんは、その後どうなっただろうか?一般論で言えば、「オレは心を入れ替えた。君のために生まれ変わって仕事する!」という男は、子供が生まれてしまうと決心が揺らぐというか、元の性格に戻ることが多いような気がする。

妹や母親もそれを心配していたようだ。娘さんも覚悟するみたいなことを言っていた。でも本格的な覚悟が出来ているのかは解らない。私のクリニックの周りには、やたらバツイチの女性が目立つ。半分くらいの確率で離婚しているから驚く。彼女らも覚悟を決めて好いて結婚して、やがて意見の相違を見るに至ったのだろうか?

でも、おとなしく田舎で暮らすから偉いとは言えない。ただ耐えるだけの結婚もいいじゃないかと思うが、娘さん達に強要はできない。自由にさせてあげたい気もする。

あの女教師の乱行、情けないプロポーズ、狂気の沙汰の喜びようは、当時も今も女性の人生における結婚の意味を表現していると思う。いやあ、凄かった。

 

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