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2011年2月22日

コーチ・カーター(2005)

Kata 

- バスケシーンがリアル -

成績が悪化したバスケットクラブに新しいコーチが就任し、改革を成し遂げる物語。

素晴らしい出来栄えだった。まず良かったのは出演したバスケ選手役の俳優たちが良い動きをしていたことだ。今までのスポーツものの作品の場合は、練習はやったとしても本業が俳優で、早い動きは到底できていなかったが、この作品では本物に近い素早い動きをして、実際にもシュートを決めていたので臨場感が違った。

どうして今までの映画はこうしてこなかったのだろう。

リアリティの大事さを忘れていたのか、練習に時間を取れなかったのか?スポーツ選手に演じさせると、今度は演技のほうがめちゃくちゃになるからか?本物のアスリートと役者を上手く混ぜれば、きっと出来ると思うのだが・・・

テーマも良かった。単に勝利を得るだけではなく、人間として、社会人としての成長、生き方を問うていたところが素晴らしい。集会でコーチが実質上解任されるというのが本当の話か知らないが、現実としてはありえる。単純に成功を収め、皆から祝福される軽い話になっていたら、白々しさが感じられたかも知れない。

主人公のサミュエル・ジャクソンは、まさにはまり役だった。頑固に意見を通す人物を演じたら非常に上手い。「ダイ・ハードⅡ」の頃からずっとそうだ。

若い役者の中ではチャニング・テイタムも雰囲気があった。タフでクールだけど、若々しいというキャラクターを上手く演じていたし、他の役者達との出番のバランスなども良かった。スターになりそうな一人に焦点をあてると、物語としてのリアリティを失い、青春ドラマになる。それを避けるためには、バランスが大事だ。

テイタムは現在、新進気鋭のアクションスターだ。タフな顔つきは今後大きな映画に使えそうな気もするが、このまま齢をとって体力まかせが通用しなくなる可能性もある。

飛び抜けて問題を抱えて出番が多い若者がいなかったことはバランス感覚の良さを示す。中心となった4人の選手が、それぞれの問題を良い方向に変えていくきっかけが理解できた。上手い構成。

日本のスポーツ物では、目立つエピソードで何かのハンデを特徴づける場合が多いが、クサすぎてリアリティを失なってしまう結果に陥る。メロドラマを期待し過ぎているようだ。爽やかさ、ドライさも必要だ。

さて、主人公のコーチだが、どうして周囲の反対意見を押し切ることができたのだろうか?いくつかの条件があったと思う。

① もともと選手達の能力は高く、ちゃんとトレーニングすれば好成績を収めることができたこと。それで信頼関係は維持できる。成績もダメなら、直ぐ解任されてしまう。

② 校長や家族など、理解者もいたこと。全くの孤立無援では何事もできない。

③ 本人の確固たる意志。生徒達を人間として成長させ、将来に希望をつなげるようにしたいと考える真摯な目的。

良い成績を収め、自分は有名クラブに移籍するといったプロのコーチでは、有名にはなっても映画にはならない。③の訴えかけは、この映画のレベルを上げている。

この作品の優れた点は、合間にディスコのシーンやチアガールのダンスなどを織り交ぜ、娯楽としての完成度を維持していること。真面目なシーンばかりではいけない。家族で観れる作品だし、恋人と観ても結構受けるかも。

 

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