映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主

  • 乙女座 AB型 どの占いでも最悪の運勢 内科クリニックやってます。

Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« バイオハザードⅣアフターライフ(2010) | トップページ | 愛が微笑むとき(1993) »

2011年2月28日

正義のゆくえ I.C.E特別捜査官(2009)

- 移民について考える -

ハリソン・フォード演じる捜査官は移民の事情に同情的。しかし、不法滞在者を摘発し、強制送還しなければならない。ある日、子供を預けたまま拘束された女性やイラン人の娘と知り合う・・・

・・・深い問題をオムニバス形式で整理して描いた作品。かなり考えて構成されていたようだ。お互いの話が連携するように工夫されていた。

ただし、なぞ解き、犯人逮捕の緊迫感、スリルの要素は足りなかった。サスペンスが大きな要素になっていなかったようで、娯楽としての盛り上がりには欠けていた。タイトルも長過ぎるし、営業のセンスに欠ける。

この作品は恋人といっしょに観ても楽しくはないだろう。アメリカ人なら興味を持たざるを得ない内容だが、興味が沸きにくい日本人の若者には退屈。子供が楽しむ映画でもないと思う。

主人公のハリソン・フォードは非常に齢を取った。もはや完全にお爺ちゃんの域。走って容疑者を捕まえたりはできない。せめてコンビニ強盗と銃撃戦を演じるくらいはやって欲しかったが、その役目も同僚の捜査官に代わられたようだ。主人公が活躍しないようでは、映画のヒットは望めないのでは?

せめてトム・クルーズくらいの年齢の主人公が望ましかった。動きが足りないと,、渋い顔して悩んでいるだけのように見える。

テーマは深く、視点も狂いなく、話は実にリアルでよく出来ていた。でも映画としてのできばえには不満あり。主人公が頭脳的か肉体的に活躍しないと、観客の期待を裏切ってしまう。ラストにかけて徐々に盛り上がるためのプロット、ツカミに相当するエピソードなど、多少の色付けが欲しかった。

市民権のために命を賭ける、体を売るなどという感覚は日本人には理解できないが、イランに住むよりアメリカでチャンスに賭けるというのは、特に革命がらみで出国した場合には解る。メキシコで暮らして頑張っても生きていくのがやっと、将来の希望など持てないという場合には、アメリカしかないかも。

アメリカの生活も夢のようにはいかないと思うが、チャンスは全く違う。成功した場合の儲けのケタが違う。日本人の学者が留学していたのも、成功のためには必須だった。教授になる人はたいていは留学している。

景気の良いインドや中国あたりに移住する、または中国を出て日本で暮らす人もいる。中国は政権が変わる時に大きな流血が予想されるから、裕福な中国人は外国で暮らす準備が必要だ。日本には比較的入国が簡単で治安が断然良いから、日本の土地を買っておくのは正解。移住は、彼らが生きていくためには現実的な問題だ。

不景気なはずの日本だが、若者の人口比率が下がっているので、労働人口は不足することが予想される。それくらいなら移民を受け入れてはという意見も根強い。ただし、移民も受け入れ側にも凄いストレスが伴う。できれば人口を調節して、急激に多数の移民を呼んだり、我々が移民として出て行く必要がないように安定させるべきだ。

人種や宗教の対立、その本当の感覚がよく解らない。

子供の頃は身の回りに朝鮮半島出身者がいなかったので、独特の対立、感情のやり取りが理解できない。国籍を持ってて日本語をしゃべれば仲間であり、日本人だという感覚しかない。大学の同級生には国籍は半島という人が数人いたものの、全く差別的態度をしたことも、されているのを見たこともない。しかし、実社会ではどうか分からない。

でも、もし話も通じない人達が大挙してやってきて勝手な言動を取った場合に、腹が立たないはずはない。排斥しようと自分もするかも知れない。「だって話が通じないじゃないか!」という理屈で、激しい差別をやってしまうかも。そうしないと身を守れない場合には、誰も止められないだろう。

親戚の一人が中国人の娘さんと結婚したが、平気で夫を殴るし、言葉の壁などがあって相互の理解が難しかった様子。ただでさえ難しい結婚が、言葉も習慣も違う間同士では、よりいっそう難しい。観光地で中国か台湾の団体客が大声で話しながら動かなくて困ることがある。あれが日常化したら腹が立つだろう。それでも日本人のオバちゃんよりマナーは良いのだが。

9.11テロの後は、実際の移民審査も猛烈に厳しいのでは?映画の中でバングラデシュ出身の家族が親子で別れないといけないという下りは悲しい話だが、ありえる。捜査官にしてみれば、あそこで見逃してしまったために将来のテロを生んだら必ず非難される。勢い、厳し過ぎる判断に傾く。日本でも同様の事例は既に発生しているはずだ。身の回りにいないだけ。麻薬売買絡みで家族と引き離された人間も多いと思う。

猛烈な熱情を持ってチャンスをつかもうとする移住者がいるからこそアメリカに才能が集まるわけだし、今後もそうであって欲しいと思う。日本に優秀な人材を受け入れるだけの市場、職場、経済があるのだろうか?疑問に思う。才能をひき付けるには、金銭的な成功、周囲の評価、治安、住環境などが揃わないといけない。

ただ職を求めて大量の異文化の人間が流入したら、暴動を呼ぶようなものだ。中国の政変が起こったら、実際にそのような事態もありえる。危機管理のために、今から審査のあり方をよく練っておくべきだろう。政治犯の引渡しや、不法移民の拒絶などをネタに、また中国から圧力をもらうことは予想できる。

 

 

 

« バイオハザードⅣアフターライフ(2010) | トップページ | 愛が微笑むとき(1993) »