映画評

  • 当劇場は劇場主のための映画館です。訪問者を期待しておりません。内容の客観性、正確性は保障できません。でも、真摯な批評を目指します。

劇場主


Conflict of Interest

  • 特にありません。

おことわり

  • 当劇場は誹謗中傷を目的としておりません。もし権利を侵害されたと感じられた方は、申し訳ありませんが管理会社や公的機関に御相談ください。

« インセプション(2010) | トップページ | マイレージ、マイライフ(2009) »

2011年2月16日

風とライオン(1975)

- 名作と思いますが・・・ -

モロッコにいたアメリカ人の家族を現地のベルベル人の盗賊が誘拐した。彼らの要求はヨーロッパ諸国に対する攘夷と政権交代。アメリカ人家族の運命は・・・

・・・懐かしい文芸大作の香り。かってのジョン・フォード映画の再現をイメージしたかのような画面構成。砂漠の盗賊~ゲリラを好意的に描いた小説の映画化らしい。

モロッコというとフランスやドイツの植民地という印象が強い。映画カサブランカの影響だろう。アメリカが一時的にせよ進出した時期もあったとは知らなかった。最終的に植民地化したのはドイツだったのか?

ドイツの皇帝が急に上陸した事件は歴史の教科書に載ってはいたが、あんまり重要な項目ではなかった。お粗末な結果に終わった例のひとつという印象。実際には現地で激しい利権闘争があったのだろう。

結果的に主人公達は権利を奪われ、外国勢は国のほとんどを支配したようだ。誘拐によって得たものはなかったと言える。完全にだまされた格好だろう。砂漠の土地を支配して、どんな利益を見込んだのかは解らないが、利益があるからこそ植民地化を狙ったはず。

ラストシーンで「我々はすべてを失った。」と部族長らが言うのは正確な表現。でも、「戦わなければならない時がある。」という主人公の言葉も、また正しい。このシーンで夕焼けを背景にしたのは正解だった。

このシーンに代表されるように、サムライ魂を叙情的に描いた映画の全体の雰囲気が素晴らしい。

戦い方には改善の余地があると思うが。

当時なら戦闘ヘリがなかったので、馬で逃げ回りながら、砂漠の奥地でのゲリラ戦に誘導するのが正しいのでは?マトモに市街地で戦ったら戦力を落とすだけ。敵が陣地を作ったら、夜襲をかけるしかない。

ジープや戦車の時代になったら、ちょっと厳しい。街に潜んで、ゲリラ戦を粘り強くやるしかない。長期戦に持ち込んで疲弊を待つしかない。ロケット砲が進歩した現代では、ヘリや戦車と戦うことができる。自爆覚悟なら、どんなに装備しようとも破壊は可能だ。時代によって戦法も変わってきている。

リアルな落馬シーンにこだわっていたようだ。不必要なくらいに落馬する。きっと怪我していただろう。

主人公を演じていたのがイギリス人なのは仕方ないかも知れない。なかなかの迫力。現地の役者に良い人がいれば演じてもらっても良かったかも知れないが、ネームバリューが物をいう。

アメリカ人女性を演じていたキャンディス・バーゲンはキャサリン・ヘップバーンが若返ったかのような顔つき。大スターになったとは言えないかも知れないが、大きな映画に何度も出演していたし、大女優の雰囲気は感じさせる。

セオドア・ルーズベルトの描き方も良かった。三船敏郎か志村喬ばりの豪胆さだった。実際の大統領も相当な冒険家だったらしいが、登場のさせ方が粋な感じ。

雰囲気の良い作品で、昔なら家族そろって観ても良い感じがするが、今はこの手の映画は受けない。この作品自体も、名作として挙げられる域には達していないようだ。恋人と観るのは悪くはないかも知れないが、退屈される傾向はあると思う。良い映画と思うんだが・・・

« インセプション(2010) | トップページ | マイレージ、マイライフ(2009) »

無料ブログはココログ