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2010年12月 9日

17歳のカルテ(1999)

- 充分理解できず -

人格障害と診断された主人公の女性が、精神治療施設に入所して経験する話。施設には札付きのワル女らがいた・・・

主演のウィノナ・ライダー自身も境界型人格障害と診断された時期があったらしいが、そのせいか大変な力の入れようで、製作も買って出たらしい。演技も迫真のものだった。

施設に入所している仲間達は、「カッコーの巣の上で」のような完全な精神病患者とは違って、軽症というか、ほとんど正常だが相当変わってるという程度の障害の持ち主達だった。

主人公の目の表情が素晴らしい。あの種の人達ならありえるような表情を上手く再現していた。いっぽうの大事な相手役であるアンジェリーナ・ジョリーも、ただのセクシー女優では済まされない迫力を出していた。

精神障害者を演じる時は非常に難しい。あんまり熱演をやり過ぎると、浮いてしまう。目立ちたいという欲求が俳優達には必ずあるはずだし、目立たないと役が回ってこないという意識もあるから、熱演してしまう傾向がある。いかにリアルかどうかを忘れて役に入り込んでしまうと、作品自体がおかしくなる。

この作品の場合は、ウィノナ・ライダーは本物だったと思うが、叫ぶシーンが多い役者は、やはり普通のレベルの好演に留まったのかも知れない。アンジェリーナ・ジョリーも上手かったが、やはり演技を感じさせた。もっと無表情なほうがリアルだったはず。

今年亡くなったブリタニー・マーフィーも出演していた。彼女は目がギロついていて、いかにも役柄に合っていた。泣きわめいたりはしていたが、役柄からすれば異常に大人しい。その点から考えると、これこそ本物の患者が見せる症状だったのかも。

彼女自身のその後を考えても、もしかして多少の異常さを有していたのかも。本当のヤク中だったかも。

人格障害の診断は難しい。世間に変なヤツは多いし、優れていたから、感性が細やかだったから変に思われていただけという場合も多いと思う。特に青少年の頃は、将来の自分の未来や社会のことに不安でないと、そっちのほうがおめでたい。周囲と同じように行動しているから正常とは限らない。単に考えが足りないだけかもしれない。

自傷行為は、ひとつの目安だと思う。なかなか本当に刃物を自分に向けたりは難しい。自分を守ろうとして色々やってしまうのが生物の性なんで、そこを越えた場合は異常かなと思える。

ただ、人間の場合は独特の思考の影響があるので、本当に稀な発作で自傷行為を働き、その後の人生で一回も自傷行為をすることはなく、我に返れば何であんなことしたんだろうと反省する事例も多いので、一概には言えない。

私も飲みすぎて死ぬかも知れないと何度も思って、しばらくするとまた大量飲酒を繰り返していたが、あれも一種の自傷行為だった。二日酔いが楽しいわけじゃないが、なんとなくやってしまうのだ。

ただし、死にたいなどとは思わなかった。もっと純粋な人、向上心が強い人、または競争心が強い人の場合は、何かのきっかけで「いっそ死のう。」と思うのかも知れないが、その感覚は解らない。欲がないのだろうか?

欲と言えば、欲深く、自分のことしか頭にないような人物は妙な精神状態に陥ることは少ないような気がする。荒れたりするのは、自分をたかめようとする希望と現実との隔たりのようなものが関係する印象があるが、現実的な望みにしか意味を見出さない人物は悩みの程度が違うような気がする。

 

 

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