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2010年11月20日

ROOKIES-卒業ー(2009)

- リアルさはない -

不良学生を集めた野球部が甲子園を目指す物語。大ヒットのテレビ番組の続編にして、映画化作品らしい。漫画もテレビも見なかったので、宣伝でしか知らなかったが。

我が家の次男が主題歌を歌っていたので、何かスポコンものの感動作品らしいと知った。近所のビデオ屋さんに行ったところ、観るべきものがなかったので借りることに。

佐藤隆太の笑顔は鼻につく感じを受けた。やりすぎていた。ひところの広末涼子の演出もそうだったが、魅力的な笑顔があれば、それは小出しにしないといけない。演出に問題あり。

市原隼人はよい目をしていた。さすが人気があるのもうなづける。役者向きの目だ。若いうちはいけるだろう。

家族で観るのは、小さい子にどうかな?と思うが、ダメではないだろう。恋人といっしょに観るのは、ちょっと子供っぽい作品と思うが、これもダメではないか?中学生くらいが最適の映画。

子供の頃は「青春」シリーズの番組が、毎週恒例の必見番組だった。桜木健一や森田健作のシリーズ、やや遅れて中村雅俊ものはクラスの話題の結構な部分を占めていた。岡崎有紀もの、バレー物、サッカーものも好きだったが、巨人の星、あれは強烈だった。

当時は必殺技が印象的だった。「二段投げ」「地獄車」「イナズマ落とし」「サブマリンシュート」「大リーグボール」は、随分真似したもんだ。怪我しそうになったことも多い。実際に使われる回転レシーブや時間差攻撃などの影響か、必殺技、新兵器には魅力があった。

スポ根ものに影響されてか、やりすぎて故障した若者が多かったのではないか?無茶な指導者によって肩を壊された野球選手は少なくないはずだ。良い影響ばかりではない。

懐かしい雰囲気を再現した根性と友情のドラマが、今でも充分に受けることを証明した作品。わが国の青少年は、まだ熱い思いを失っていなかったのか?まだ燃えていたのか?

骨折しても仲間を守ろうとする心。完全に力んだフォーム(あれでは打てる球も打てないだろう)、あの表情、くさい芝居、試合中に勝手に控え室に長時間留まって仲間うちでドラマを展開する身勝手さ。普通なら審判から文句が出そうだが・・・

恋愛の要素が少なかった。わずかにマネージャーとエースの会話が盛り上がっただけ。会話だけというのも、近年珍しいかも。

昔よりもコメディの要素は増えていたかもしれないし、不良の程度も増していたかもしれないが、基本的に精神年齢というか、思考のパターンは変わっていないことを感じる。

自分達が入学した時代の先輩方は、ラッパと言われる幅の広いズボンをひらひらさせてのし歩いていた。格好が凄かったが、あれと共通する歩き方は、今回の作品の不良連中と共通していた。

先輩達は隅っこでは焼酎を飲むやらタバコを吸うやらしていたが、目を合わせるとヤバイので、速やかに彼らの視界の外に出るため、右往左往していた。

シゴキの激しい人もいたが、何を考えていたんだろうか?役に立たない理屈で、根拠のないトレーニングをさせられて非常に不満だったが、文句は言えないことくらいは理解していた。基礎体力トレーニングに対する理解が昔は不足していた。

部活の着替えのとき、たまたま遅れて一人でいたら、まずいことに最凶最悪の先輩と二人きりになってしまったことがある。「これはヤバイ、もう一巻の終わりか?」と覚悟していたら、無言のまま去っていかれた。基本的に、ワルは一人で活動することは避けるからか。

その先輩方、やはり卒後に逮捕されたり、本物の犯罪者になった連中もいたが、行方が解らない人も多い。田舎で職場がないからだ。彼らなりに精一杯自己主張していたと思うが、その内容はカッコづけだったり、下級生いびりだったりで、有効性や意義に関しては、もちろん大したものではない。

ただし、本人にとっては大事だ。勘違いしていても、譲れないものだったはずだ。少なくとも、当時の私は彼らを批判しようなんて全く考えなかった。

例えば、あんなロクデナシ達をリアルに、そのままの存在感で演技させたらダメなんだろうか? オーバーに演じず、真剣な物語として描いたら、観客はそっぽを向くのだろうか?シラけてしまうのか?よく解らない。

原作がたぶんオチャラケを含めて描いているだろうから、その雰囲気を壊したくなかったのかも知れない。リアルなスポ根物語を試すのは、ちょっと勇気が要ることだ。

 

 

 

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