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2010年11月17日

12モンキーズ(1995)

Photo

- CGなしSF -

監督 テリー・ギリアム

未来の人類は1996年に発生したウイルスによって地上を汚染され、地下で活動している。ここで主人公は特殊任務を命じられる。人類を破滅させたウイルスの発生源を探るタイムトラベルである・・・

冒頭の気味の悪いサルの文様が怪しい雰囲気を出していた。音楽も雰囲気に合わせておどろおどろしい調子で、スタッフたちの息が合っていた印象。

本来の物語はタイムトラベル、謎を探求する冒険、犯人の推理、愛情、動物愛護と実験の問題などが要素となった、どちらかと言えばオーソッドックスな展開。でも描き方が独特だった。

低予算映画のような印象。CGが使われていたのか?実際には結構な金がつぎ込まれ、記録的にコケた作品らしい。作り方に安心できないような臭いがあったからか?カルト的な客でないと興味を抱かないような雰囲気が、ヒットの邪魔をしたのかも知れない。

タイムトラベルを扱った最近の作品の中では、使われた機械が最も単純で、どう高く評価しても学生が製作した映画のレベル。主人公には心電図のコードをくっつけていた。でも、この映画の場合は、特にCGを売りにしていないので構わなかったかも。

未来の科学者達が主人公を尋問するシーンも、実にチャチな仕組み。おもちゃにしか見えない。CGを少しは使っても良かったのでは?いったい何に大金をつぎこんだのだろう?

同じ監督が、「ドクター・パルナサスの鏡」を撮っているらしい。こちらはCGが大半を占めているという噂。予算の違いの関係?

主演のブルース・ウイリスは好演だった。この時期の彼は動きが良くて、演技は臭いものの、最近のように極端にクサ過ぎない。まだ売り出し中に近い、勢いのある時期だった。ただし、オーバーであることは間違いない。

共演のブラッド・ピットは今よりも痩せている。彼も、いくら何でもオーバー過ぎる演技だと思う。完全にイカレてるが、頭脳明晰で何か企んでいそうな感じを出すためには、もう少し静かな時間を増やすべきではなかったか?話すべき時に話さないで沈黙を守ったほうが気味が悪い。話すタイプの異常者なら、とことん紳士的で穏やかに理路整然と間違うほうが怖い。

もっと太った、ずるそうな人物のほうが良かったかも知れない。体力的にも主人公と対等な印象を受けるほどの迫力が欲しかった。本当におかしい人間は、自分を正常に見せようとするものだ。人前ではおとなしくしているほうがリアルだったのでは?

ヒロインのマデリーン・スーは美しく、知的な印象で好演だった。特に空港で倒れる人物に駆け寄ろうとするシーンは印象的。でも主人公に好意を抱きすぎる不自然さを多少は感じた。

12モンキーズという変わったタイトルも良い。ちょっとしたドンデン返しが設定されていたのも適切。ラスト近くで主人公の記憶と実際の状況が一致する仕組みは見事。印象的なスローモーションを繰り返していたのも良かった。

ややカルト的な独特の作品なので、子供には向かないような印象だが、恋人と観るのには悪くない。

 

 

 

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