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2010年11月14日

あなただけ今晩は(1963)

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主演はジャック・レモンとシャーリー・マクレーン。街娼のヒロインと若い警察官の物語。パリの話のはずだが、なぜか英語で会話。途中で主人公はヒモになり、彼女が客を取らないで済むように自分が客になることを思いつく・・・

1956年パリで初演のミュージカルだったらしいが、これをミュージカルなしで映画化している。ストーリーとしては奇想天外で韓国ドラマ風だから、ミュージカルのほうが合う気がするが、ストーリーを映画向きに変えていない。その点が、やや違和感につながっているのか?

ヒロインにはマリリン・モンローを考えていたという伝説がある。確かにキャラクターとしてはシャーリー・マクレーンよりもモンローのほうが向いている気がする。マクレーンは悲劇的な境遇のコメディ向きのイメージがあるので、この作品には少し向いていなかった。

でも、大変な熱演だった。ツイストの踊りも軽快。

緑色のストッキングの意図が実はあんまり解らなかった。今も当時も緑色は特殊な職業に女性しか着ない色だからか、もしくは何かパリ市内の規則かメッセージか何かを意味していたのか?

安部公房の小説?戯曲?に「緑色のストッキング」というのがあるらしい。もしかして関係しているのか?少なくとも、まともな商売の女でないことを象徴する道具だとは思う。

全体の雰囲気が懐かしい。エキストラの表情もオーバーで、動作も舞台役者風、音楽やセットの色彩も懐かしい昔の映画の雰囲気が漂う。カメラワークもお約束どおりという感じで、それに慣れている年寄りにとっては安心感につながるような気がする。

昨今の作品は、観客の驚きを狙っているのか、動きが激し過ぎて何を写しているのか解らない場面もある。特にCGで作られたシーンは如何様にもなるので、出来上がった時には観客の動体視力の限界を超える場合があり、疲れる。

もし可能なら、ミュージカルとは少し展開を変えて、現実味を増したほうが良かったかも。刑務所の鉄格子を腕力で捻じ曲げて脱走するなんてしない、川の中から人間が浮かび上がっても尋問しないで帰したりはしない、主人公が返送して現れる場所や方法は、ちゃんとした隠れ部屋を使ってドアから出て行くようにすべきだ。

舞台ではエレベーターが必要かも知れないが、映画では不自然すぎる。確かに滑稽と言えばそうだが、しらける観客のことも考えて、絶対に必要な設定以外は現実化したほうが良かったのでは?

何より、英語の会話はおかしい。どういう感覚で英語のまま作ったのか知らないが、フランス語に対する敬意は気にしなかったのか?フランス国内ではアフレコしたとは思うが、そんなことをしてもフランス人は怒って観ないのでは?

刑務所に入る前に、捜索されている時点で芝居をうって川から登場してみせるなら解る。それなら殺人事件は発生していないということで、逮捕されずに済むという展開になる。

その場合、妊娠の時期や、その後のシーンの作り方を多少は変えないといけないが、逃亡している設定などで何とかなったのでは?

ギャグのシーンは子供が喜びそうだが、話の舞台は今でも子供向きの場所とは言えない。恋人といっしょに観るには、やや古めかしい動作が気になる。オールドファン専用の映画と考えるべきか? 

 

 

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