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2010年10月12日

ナイト&デイ(2010)

脚本 パトリック・オニール

陰謀にはまったFBIのエージェントと平凡な女の逃避行をコミカル、かつ派手なアクションで描いた作品。主演がトム・クルーズとキャメロン・ディアスという両スターで、大ヒットを狙ったが・・・

・・・結果的にはアメリカでの興行成績は伸びなかったらしい。しかし、この作品はかなり面白かった。子供たちにも結構受けていたし、大人でも楽しめるレベルに達していると思う。人に勧められる映画だ。

殺人のシーンはかなり多いのだが、血なまぐさい部分は削除されているので、家族で観ることも可能なレベル。ギャグも古くてキレはないが、軽い笑いの要素を盛り込んであるので安心して観れる。恋人といっしょに観てもかなり笑えるシーンが多い。笑いすぎない程度に。

爆笑を期待する観客は失望する。それに主演の二人は、明らかに今人気が下降中だ。キャメロン・ディアスは水着姿でも充分美しいが、いかにスタイルが良くても、観客が彼女の年齢を知らないはずはないし、水着を期待して観る客は少ないのだから、あえて着替える必要はなかった。トム・クルーズの顔は貫禄が出たと言えばそうだが、アクション向きの顔ではない。

よくできているんだが、二人のキャリアの落ち込みを一発で逆転するほど面白いとは言えない。昔風の作り方だからか?

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これがアメリカでのポスターらしいんだが、いくら何でもひどい。これを見て興味を抱く人はいないだろう。

ちゃんと約束事を守っている感じがした。トレーラーが写った後にトレーラーに乗りうつる、水にもぐることが得意だったと言った後に死んでないと確信するなど、プロットを丁寧にたどる、客に理解させる手順を踏む約束を果たしていた。懐かしい映画の雰囲気がする。日本人には好感を持たれる作り方では?

ふざけた主人公の話ぶりが面白かった。殺し合いをしながらも余裕を見せられると面白い。生真面目な殴り合いに徹するスティーブン・セガールやジェット・リーもカッコイイが、余裕も大事だ。映画なんだから。

Photo

スペインでの逃走劇、アメリカでのカーチェイスのレベルも高い。飛んでくる車の下をくぐりぬけるなんて、昔だったら仰天もののアクションだが、今では普通になっている。車の屋根に飛び乗って「やあ、きれいなドレスだねえ。」というセリフも、昔なら名場面集に選ばれそうだが、たぶんすぐ忘れ去られる。

なぜかは解らないが、何かの徹し方が足りないのかも知れない。

細かい部分は麻酔薬で寝ていて省略、という作り方は軽快だった。昔のハードボイルドもので、人物がすぐノックアウトされて場面が変わるのと同じく、展開が早くなるので便利だ。

トム・クルーズは大手映画会社ワーナー?との契約をうち切られてから急に大作に出演しなくなった。この作品も20世紀フォックスの映画だ。ぱっと見ただけで強い印象を残せる輝きは確かに薄れてしまったかもしれない。今、ミッション・インポシブルの続編に取り組んでいるそうだが、何かウルトラCをやらない限り、このままでは大ヒットは期待しがたい印象。

ヒロインのトンチキぶりも面白かったが、キャメロン・ディアスではやや貫禄がありすぎたのか、大うけはしない印象。38歳では娘のような表情は普通しない。カマトトぶった印象を与えてはいけない。ヒロインがオーバーに騒ぐために、もう少し若いマヌケな印象のする女優のほうが笑えたのでは?ミスキャストだと思う。

庶民的で、どこか男性に負けないために無理をしてツッパッているような、同情を買えるような要素も欲しかった。直前に浮気されたり、ふられたりしてひどく人間不信に陥っているといったプロットが望ましい。行かず後家をからかわれてもいい。

セリフは実に面白かった。日本語訳が良かったのか脚本が良かったのか解らないが、この種のアクション映画の中では最高のレベルだった。

激しいアクションもこなしながら、ユーモアあふれるヒーローが活躍、ヒロインが無茶な男によって過酷な状況に追い込まれて、やがてロマンスが芽生える、敵の攻撃を乗り越えるストーリー。ワンパターンだが、映画の楽しみの要素が詰め込まれている。オーソドックスな映画。

そんな作品も定期的に観たい。

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