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2010年10月18日

オズの魔法使い(1939).

Ozz

- 松田聖子との違い -

5歳の末っ子のために絵本を読んであげたのをきっかけに、映画も観てみようという話になり、親子で鑑賞。この作品は名作中の名作なんでDVDも購入していたが、ブラウン管のテレビでしか見たことがなかった。新しいテレビで見て、画像の美しさに驚愕。

何度も観ているが、初めて観る子供といっしょだと新鮮。子供も楽しさを感じたのだろう、ダンスを真似していた。

たぶんDVD化のためにリマスタリングをかなりやってあるのだろうが、カラーの色彩が薄めなことを除けば、かなりの画質。もしリメイクされて今のカメラで撮影し、ブルーレイで観たら、どんなに感動するかと思う。

製作年度は1939年。大戦前の作品だと言うと子供たちは驚いた。「風とともに去りぬ」の監督が同時進行で(?)この作品も作っていたのか知らないが、ほぼ同時に映画史に残る二つの作品を作っていたことになる。

適当に動いている役者も多いような気がする。演出者達が上手く管理できていない細かい部分がある。でも、全体としての出来栄えが素晴らしく、特に子供達には非常にインパクトがあったようだ。

今のCGとは随分技術が違う。どこからが壁の絵で、どこまでがセットと明瞭な境目が見えたりする。大きなスタジオで撮影していることがはっきり解るような古い技術には目をつぶらないといけない。

今の技術でリメイクしようという企画はないのだろうか?マイケル・ジャクソンが出演した「ウィズ」もあったし、CGを使った作品も1990年代頃にあったようだが、あんまり評判になったとは聞いていない。この作品より魅力を出すのは難しいのかもしれない。

この映画の魅力は話が単純で起承転結が明確なこと、脳なしカカシ、弱虫ライオン、ブリキの木こりなどのキャラクターのバランスが良かったこと、訪れた国の住民のおかしさ、少女の境遇への同情、少女の夢という一般的に共感を得やすい設定、歌と曲が良かったことなどだろうか。

おかしな国で可憐な少女が踊れば、それだけでも楽しくなってくる。そこでCGを使っても、楽しさが倍増することは期待できない。ダンスや音楽の魅力を高めるのは、動きが早く激しくなるくらいしか考えられないが、この曲調や内容に激しい音楽は似合わない。クラシックなミュージカル調の音楽が最適。

この作品は完成されているのだろう。個人的に、家族で観れる作品の中では史上ナンバーワンではないかと思う。「市民ケーン」など名作と言われる映画は多いが、多くは子供が観ても意味がない。この作品は家族で楽しめる。

ヒロインのジュディ・ガーランドが可愛らしい。小柄なんで公開当時17歳なのに随分年下の娘を演じられたようだが、違和感なく充分耐えられる。いかにも作られた表情なんだが、松田聖子よりも可憐で、ぶりっ子するな!という文句が家族から出なかった。動きも聖子ちゃんより軽やか。

ただし、既にこの頃彼女は薬物中毒者だったらしいので、ラリって軽やか過ぎる面はあるかもしれない。童話なんで、多少演出がわざとらしくても、オーバーな表情をしても不自然には見えない。そのへんで得をしている面もあるかも。

セリフも曲も有名。「やっぱりお家が一番。」「黄色いレンガの道・・・」などは、他の映画でも繰り返し使われる。「オーバー・ザ・レインボー」はスタンダードナンバーになっているが、この映画の曲だったのねと子供も始めて知った様子。

非常に健全な内容。その分、奥行きに欠けると言えばそうかも。深刻になって考える作品ではない。童話を読む感覚で、子供といっしょに観るのが最高か。恋人といっしょに観る作品ではないように思うが、童心に戻ってたまに観るのは新鮮かも。

観終わって、嫌な気分になる人は少ないだろう。名画中の名画と思う。ヒロインが当時既に男性経験豊富で、それも武器にして役をゲットしたなどという話はどうでも良いくらい素晴らしい。

乱交も許してしまいたいくらいの傑作はめったにない。

 

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