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2010年9月20日

戦場でワルツを(2008)

- 下手くそなアニメ -

レバノンに侵攻したイスラエル軍兵士の一人だった主人公は、戦場の記憶が抜けている。気になった主人公は、かっての兵士仲間らに当時の出来事を尋ねてまわるが、明言を避ける者が多い・・・

・・・この映画の手法は独特だった。昔、フランス映画の何かで見たような気がするが、この作品では非常にテーマと合致していて、効果的だった。

リアルな実写では、インタビュー形式の語りがつまらなくなってしまうと思える。風采の上がらない人物がブツブツと過去の経験を話すばかりでは間が持たない。

たぶん実写の場合は年齢による風貌の違いを克服するために、若い俳優が過去の行動を演じるという手法になるはずだ。インタビューではつなぐことができない。だから、あえて下手くそなアニメにしたのは正解だった。

上手すぎるアニメでもいけない。もし画が上手いと、我々の頭の中に楽しい~美しいという感情が浮かびかねない。漫画は本来面白いものだから。従って動きが単調で、不自然なほうが都合が良い。

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照明弾の光の中、浜辺から兵士たちが上陸する印象的なシーンを2-3回繰り返して、効果的に使うことに成功していた。3回がちょうど良い。5回くらいになると、さすがに飽きられる。その辺の加減を、ちゃんとわきまえていた。

虐殺は、なくならないものだ。やったのがキリスト教徒というのは日本では考えにくいが、あちらでは全然珍しくはないだろう。宗派、宗教間で激しい対立が続いているから、互いにやったやられたの応酬のはず。

もし自分が主人公の立場だったら、仲裁に入れるか?それは非常に危険。間に入るだけで、ついでに殺される可能性が高い。傍観するしかないと思う。

時々喧嘩に出くわすことがあるが、まず子供の安全を確保するために、その場を離れることを考える。仲裁など絶対できない。仕方ないと思う。

暴徒の中に自分がいても、同じく何も言えない。今の日本のように平和ならば物も言えるが、血気だった集団の中で冷静な意見を言うのは自殺行為だ。

イジメのような目にあって苦境に立っている同僚に、積極的に助けに入ることも難しい。情けないが、ほとんどの場合は傍観者にならざるをえない。

戦士として戦場に立てば、銃を乱射し続けたくなると思う。どこから狙撃されるか解らない場所では、やみ雲に撃ちまくらないと、恐ろしくて仕方ないだろう。虚勢を張って笑顔を見せる人間も多いだろうが、冷静になれるはずがない。

リアルな描き方だった。したがって、子供には好ましくない。恋人といっしょに観るタイプの映画でもないような気がするが、レベルの高いセンスを感じられる作品。

 

 

 

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