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2010年8月18日

CQ(2001)

- オタクの限界?-

映画の編集者が主人公。製作中の映画はSF。監督が芸術的コンセプトを強調しているが、プロデューサーと意見が合わなくて解雇されてしまう。 次の監督はさらに訳のわからない人物。ついに主人公が監督代行に。その間、彼の恋人とはすれ違い、映画のヒロインには恋をする。現実と空想がごっちゃになった主人公は、果たして映画を完成できるのか?

映画のスタッフが主人公になると、どうしても内幕モノの独特の暗さ、自虐的な世界ができあがってしまう。相当ヒマがないと観るのが嫌になりそうな、オタク的な印象を受けた。アバターやタイタニックのような大ヒットを最初から狙っている作品とは全く違う作り方。

映画の設定は60-70年代のフランスなんで、作品自体も古いのかと思いきや、製作は2001年。そういえばタイタニックで敵役を務めていた俳優がヒーロー役を演じていたから、そんなに古いはずはない。

監督に凄い才能を感じるとは言えない。でも、結構面白い映画だった。

手に汗握る迫力も涙もない、小さな出来事がこまごまあるだけで、優柔不断な主人公を見ていてイライラしたくなるような作品だが、ヒロイン役の女優は美しく、下らないSFの作品が笑えるほどチャチでおかしい。チャチであることが良い雰囲気につながる、不思議な現象。

時々、ハッとするような高い技術のシーンがある。普段がショボイだけに効果的。

ヒロインにカメラがアップすると、化粧の仕方もあるのか、懐かしい雰囲気が出る。当時の青春ものには、学生運動に打ち込むヒロインがいたもんだ。真正面から視線を受けるアップのシーンが必ずあった。

カーチェイスのシーンもあった。これもチャチな作り方で、最近のハリウッド映画のど迫力には到底及ばないのだが、なぜか結構リアル。本物のアクション映画が、あまりに凄すぎて、何がどうなっているのか理解できない点を改めて感じた。実写で、ゆったりと撮影したほうが、かえってリアルになるらしい。

健康的なレベルのお色気は、なんだか懐かしいSFやスパイ映画の雰囲気がする。70年ごろの007やナポレオン・ソロ・シリーズに近い懐かしい雰囲気。もしくは、その後のB級映画のノリ。グラマー女優が少しモデル体型に替わっただけで、よく再現できていた。

激しいシーンはないので、子供といっしょに家族で観ることも可能な作品だが、特にオススメではない。優柔不断な姿をただ見せても面白いとは言えないのでは?子供も退屈すると思う。

恋人といっしょに観て、面白いと感じるかどうかも解らないが、退屈な時に観ると意外に笑えるし、何かハッピーな印象を受けるかも知れない。

ラストが希望を暗示していたし、古い映画の雰囲気を再現できていたことで懐かしさを感じること、それに観終わった時に疲れない程度の大人しい展開、それらは悪いことではない。

もっとオシャレな撮りかたもあったのではないかと、ちょっと思った。せっかくフランスを舞台にしているのだから、音響や季節(秋の風景くらいは欲しかった)を工夫すれば、シャンソンが流れる中でのSF映画という構図も可能だったはずだ。

主人公の風貌も気になった。観客は彼に共感できるだろうか?もっと怒ったり、激しい自己嫌悪に悩む姿が出ても良かったような気がする。例えば、何事にも一生懸命に取り組むが、不運で泣きを見る人物だったら、共感につながる可能性がある。この作品の主人公ではどうだろうか?

 

 

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