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2010年7月17日

身代金(1996)

Minosirokinn

- 職人技 -

航空会社のオーナーが主人公。彼の息子が誘拐される。主人公はFBIと協力して金を渡そうとするが、受け渡しに失敗。FBIも信用できないと考えた主人公は強硬手段に出る・・・・

この作品のストーリーは何かで読んだような記憶がある。昔の映画のリメイクだそうだ。マンガなどにも同じような展開が使われていたのかも知れない。

主演のメル・ギブソンの表情、色っぽいレネ・ルッソ、犯罪者のような顔のFBI担当官、犯人役達のキャラクターなど、設定とキャスティングが非常に優れている印象。ひとつひとつのシーンの構図も、どれもが絵になるように周到に作られた職人技のような完成度を感じる。

たぶん、ロン・ハワード監督の周りにもスピルバーグ監督の一団のような優秀なスタッフがたくさんいるのだろう。「映画作るぞー。今度はこんな作品だ。」と言えば、次の日には自動的にセットが組まれているくらい要領のよい連中なんだろう。

この時期のロン・ハワード監督の作品は、だから手法は斬新とは言えないような気もする。ある程度は次の展開が読める。

最近のアクション映画は時に斬新すぎるし、人間の目の動きの限界以上にアクションが早いので、何がどうなったのか後で解るようなことも少なくないが、ちょっと古めの手法は安心して観られるという良い効果も持つ。

実際の誘拐はもっと悲惨。かなりの確率で早い段階で子供が殺されてしまうことも多いと聞く。子供の世話なんかに人員を割けば、その分だけ本来の業務に狂いが生じるという考え方だろう。この作品のように、子供に同情する犯人は少数派ではないか?

中南米やアフリカを始めとして、誘拐は珍しくない。日本では非常に稀だが、日本のほうが例外だろう。ビジネスとしては、普通の犯罪よりも成功率が高いのかも知れない。でも再発防止のために、刑罰は非常に過酷にすべきだろう。窃盗といっしょにしてはいけない。

実際には金の要求などの連絡を、いったいどのようにするのだろうか?

一般の携帯電話は使えない。盗んだ直後なら可能かも知れないが、登録者が解るものは直ぐに足がつくし、番号が割れたら微細な発信電波で居場所も知れてしまう。

プリペイド契約式が今もあるのか知らないが、そのような匿名性の高いものを選ぶか、誰かを殺して携帯を奪うなども考えられる。公衆電話が非常に少なくなったので、犯罪もやりにくくて困ったもんだ・・・と犯罪者は考えているかも。

逆探知への妨害電波って、本当に可能なんだろうか?その電波自体が場所を特定されないのか?

誘拐を題材にしている作品を家族でみるのが良いことかどうか解らない。注意を促す意味はあると思うが、観るのも耐えられない悲惨な作品ではだめになる。この作品は、たぶんOKか?恋人と観る作品としては悪くないと思う。完成度が高い。

この作品、もう少し子供と犯人の会話があっても良かったような気がする。子供が怯え、悲しんでいる声くらいはもっと出しても良かったのでは?やりすぎると残虐な映画になってしまうが、この作品はちょっと恐怖の演出の点に問題があった。

早い段階で犯人の首領が誰かを簡単に殺していたら、観客達に犯人の残忍さが理解できる。ホームパーティーで犯人達が刺青を見せたりしないで、誰が誘拐したのか観客も解らないような演出だったら、主人公といっしょになって考えることもできる。そんな展開ではいけないのか?

ラスト近くの対決は、もう少しのひねりがあっても良かったかも知れない。我々としては犯人が最終的には負けることを知っているので、本当に最後の最後まで犯人優位、勝敗が解りにくい展開が望まれた。

犯人が血まみれになる必要はない。

ぬかりのない犯人が、思いがけないことで馬脚を露わすだけで充分ではないか? 騙されていることに主人公が気づかないか、もしくは絶体絶命のピンチに長く止まれば、観客はハラハラできるものなのに・・・

 

 

 

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