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2010年6月27日

ブッシュ(2008)

- インパクトには欠ける -

監督 オリバー・ストーン

前の合衆国大統領だったブッシュJr.の半生を描いた作品。たぶん民主党支持者達と思えるスタッフ、俳優らがメーキャップをしてブッシュ家や政府のスタッフを演じている。それぞれ、それなりに似ている。

この作品ではブッシュ氏は平凡以下の人物のように描かれているが、実際にはバカとは思えない。ただし、彼を指導した日本人の教授によれば、優秀とも言えない学生だったらしい。

指導者の資質が国を決めるようでは、その国の政治システムは脆弱だ。イラクもそうだったと言える。サダム・フセインは、おそらく勇敢で有能、警察組織も強力だったはずだが、超大国と対決するという決定的な間違いを犯した点では無能だ。国民全体にひどい害を及ぼした。イラクという国が分裂の危機から逃れたわけではない。

アメリカ以外の国は、戦争に負ければ極端な場合は国がなくなる可能性があるが、アメリカは超大国なので、当面の勢いが低下し、影響力や経済的な覇権が失墜する程度であろう。イラク戦争が思ったほど短期間で終了しなかったり、戦後の処理で犠牲者が多く出たと言っても、敵の側の損失と比べれば比較にならない。

とりあえずの戦闘に負けないならば、問題点は次の政権にゆだねることができる。方針を転換することができる。したがって、国自体の存亡の危機というのは、今のところ考えなくて良い。大統領やスタッフがどんなにマヌケなことをやらかしても、システム全体が破滅することは考えられない。

だからアメリカのシステムはよく考えてあって、強いと思う。

ただし強力な兵器が登場して、一気に数億人単位で人命を奪うような戦いが起こったり、想定できないような伝染病、地殻変動などが起これば、今のシステムでも国の形を維持できない可能性はあると思う。通常の場合しぶとい国家体制だと言えるだけ。

金融の中心が人口の多い中国やインドに移動したら、企業の中枢や資本は移動するだろう。一地域に転落するような時代が来たら、そのときは分裂するかも知れない。

この作品では、テレビでスポーツ観戦するのが趣味のような、普通の人物が大統領になった場合の悲劇的な状況を描こうとしていると思う。でも正直言って、盛り上がりに欠けていて、退屈な作品。彼が被った危機を描いていないからかと思う。

テロで自分の身も危険と知った時の表情くらいは写して上げても良かったのでは?そんなシーンは彼に同情する人を呼ぶ可能性もあるので、意識的に排除してあるのだろう。

この作品全体としての印象は薄い。インパクトに欠けていたし、登場人物の演技に感心できたとは言えない。リチャード・ドレイファスを久しぶりに見たが、感心するほどの名演だったとは思えない。パパブッシュは迫力と親近感を感じた。

でも、何を売りにして、何を是が非でも訴えたいという熱情を感じることはできなかった。監督自身が主人公を好きではないらしいので、自然と作品もそうなったのか?わざわざ金を払って観るべき映画とは言えないかも。

家族で観ると、意外に受けるかも知れない。自分の家族との共通点にわく人もいるかも知れない。恋人と観る映画としては、オススメではない。

 

 

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