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2010年5月 6日

ノウイング(2009)

- CGのための映画か -

ある教授が、暗号のような数字の羅列が人類への警告であることに気づいた。 彼は家族や人類のために行動しようとするが・・・

ニコラス・ケイジが大学教授のキャラクターか?という疑問がまず起こった。ヤクザ者か、色事師くらいが合うのではないかと思うが、彼はなぜかヒーローとして大作に次々出演している。不思議。

この作品はとにかくCGの技術が凄かった。映画の宣伝にも使われていた飛行機が落ちるシーンは、どう観ても実写としか思えないほどの迫力がある。

航空機が響かせる音響、振動も再現できているし、片翼が地面に落ちて、こすりながら機体も落ちるという、まるで過去に見てきたようなリアルな事故の再現に、素晴らしいセンスの高さを見せてくれた。

ただし、そのセンスは、映画全体に生きているとは思えない。

この種の映画では、観客が登場人物に感情移入できないといけない。そのためには主人公が万人に同情されるようなキャラクターの人物であることが望ましい。もしくは、一見すると頑固な親父だが、家族を救おうとする姿を見るうちに、観客が認識を改めるというスタイルもありえる。

でも、この作品ではそうなっていない。同情は多少する。子供と離れないといけない運命と解るからだ。そこでの盛り上げが成功するかが、この作品のカギになるが、観客は盛り上がれたろうか?

暗号が意味するところは何かの謎解きと、実際に事故が起こるのかどうか、どれくらいひどい事故になり、どの程度表現できるか、などを観客は期待する。そのうえで、子供と主人公はどのような経過を経て、結局助かるのかどうか?それらを気にする。その設定は巧みだった。

父親と息子の心の結びつきの強さを観客に強く訴えかける、何かのイベントがあれば、もう少しイメージは変わっていなかったか?

例えば、冒頭で子供が危険な目に遭う。親は心労でフラフラになり、会社もクビになる、もしくはクビを覚悟で看病する。やっと回復する。そんなシーンが最初にあれば、その子供と離れる辛さが観客の同情につながるはずだ。そんな常套手段が、この作品では省略されていた。

したがって、この作品はCGがまず最初にありきの映画と言える。

CGを見るための映画と考えるなら、この作品の正しい見方は早送りでCGのシーンばかりを探すという方式になるだろう。家族で見る映画ではないと思う。子供がCGを観るための作品としては最高。恋人といっしょに観るのは、悪くないかも知れない。あんまり感動する作品は恋より映画に興味が行ってしまうかも知れないからだ。

 

 

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