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2010年5月28日

トリック劇場版(2002)

- 残酷ではないのか? -

物理学教授の阿部と、マジシャンの仲間のコンビが謎の村で活躍する物語。

テレビ用に作られたトリックシリーズの映画版。最新作が公開され、宣伝を観ていて気になって鑑賞。テレビのほうは観たことがないので知らないが、独特の雰囲気がある作品。阿部寛の最近のキャラクターである傲慢さと、仲間由紀恵の開き直った態度の取り合わせがおかしい。

この映画では殺人が頻発する。血まみれの殺人シーンもある。したがって子供に見せるのは感心できない。それ以外のシーンはおかしいし、ギャグも満載なんだが、残酷な部分はとことん残酷。

大人なら特に問題なさそう。恋人と観ても結構受けそう。

このシリーズの企画がどのように始まったのか興味がある。脚本、監督の発案だろうか?キャラクターの設定も良かったと思うが、俳優を最初から想定していたのか?

劇場用の今回のストーリーには、いくつかの無理があった。神様を名乗る人物が複数村に出現していたが、村のどこにそんな魅力があったのだろうか?財宝が眠っているという噂は広まってはいないはずである。村に行って何を得るというのか?

火事を消すほどの水の勢いを止めるには、抑えの石の重さは大変なものでないといけない。人の力で移動させることなどできるはずはない。

そんな細かい点を気にしなければ、アイディアが素晴らしい作品だった。特に手品の種明かしのシーンが面白い。

仲間や阿部が敵の神001と神002らの種を解読していく部分の表現が、なんだな知的な興味を引く。種が明かされると、なんだ、そうだったのかと、主人公達に敬意を感じてしまう。敬意は、好感や共感につながるという寸法で、自然に作品が盛り上がるようだ。

共演の役者達が素晴らしい。

竹中直人と石橋蓮司の押し出しの強いキャラクター、目線からして変なおかしさが大変な迫力だった。仲間由紀恵が「なんで、助手がいるんだよ!」等と、いちいちツッコミを入れるのも笑わせる。

総じてギャグは漫才ネタに近いタイプのものだった。つまりエンタの神様などの、若手芸人のギャグの総集編のような映画である。それに謎解きの要素を無理やり付け加えて、おそらくはスタッフの趣味の手品のネタ明かしの要素も加え、さらに主人公達の漫才も加えれば、これは受けないほうがおかしい。

その狙いは見事に成功しているようだ。二級品の映画だが、面白い。

でも残酷さが気になる。映画には向かない表現、設定だったと思うのだが、気にならないとすれば、流れにまかせて怖ろしい行為が行われても、皆があんまり気にしないというのも解るような気がする。

 

 

 

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