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2010年4月24日

赤いアモーレ(2004)

- ペネロペあっぱれ -

ある外科医の娘が交通事故で意識不明になった。外科医の脳裏には、なぜか過去の不倫相手のことが浮かんでくる・・・

昼のメロドラマの筋書き通りの作品だが、この作品は昼メロよりも非常によく出来ていた。私は全く泣けなかったが、奥さん連中は泣くのではないか? 子供には向かない。恋愛中の若者にも、不倫を連想させて内心はともかく、表向きは不向きかも知れない。倦怠期に入った夫婦には向く、しかし喧嘩のきっかけになりかねない、そんな印象。

この作品の魅力の第一は、ペネロペ・クルス。メーキャップが効いていて、あんまり美人には見えない姿で登場する。歩き方まで考えていたようで、ガニ股気味に歩き、表情や身振りからも、すれた女の雰囲気を出すことに成功していた。本当のヨゴレ役だった。

その彼女が過去のことを語り、さらに徐々に目の下の濃いアイシャドーを取り、本来の美貌を表す、不幸な結末とも相まって、大変に魅力的なヒロインになっていた。メロドラマの極意を極めた感がある。

もしかするとペネロペ・クスルこそ、現在の女優のナンバーワンかも知れない。迫力、存在感、個性、商品的価値などを総合して、そんな風に思える。すぐ次にはケイトウィンスレットや、スカーレット・ヨハンソンンが控えているが、とにかくプロ魂を感じる。

美しい、そしてスタイルも良い。さらには、それを無駄にしないための頭、表現力も兼ね備えている。全くのバカでは、こうも上手く振舞えないと思える。演出が悪いと「サハラ」の場合のように、存在感が薄れるが、本来の能力は監督や主人公やエキストラなど全てをひっくるめても敵わないくらいの高いレベルの女性と思える。

主人公は監督も兼ねていたそうだが、演出も的確だった。本職と遜色ないほどの手際のよさがあった。

主人公がヒロインを襲うシーンは、ちょっとイキナリという感じがした。自然な演出だったろうか?何かの手順を省いたのか、DVD化のために省略されたのか?激しさを表すために、あえてイキナリにしたのか? そのへんは解らない。

私が主人公だったら、車が故障して歩き回って疲れ果てている時に不倫する元気はない。食い物が違うので、あちらの人は違うのかも知れないが。後日、御礼を言いに行った時だったら解るような気もするが。

ただし、甲斐性も勇気もないので実行はできない。あくまで可能性の話。目で姦淫するに止めよう。

主人公の妻の女優も非常に雰囲気が良かった。夫に疑いを持ち、もう別れようかとも考える、そんな感情表現、そんな時に妊娠してしまうという設定もメロドラマに最高で、キャスティング、演出、演技の全てがマッチした印象だった。彼女が最も演技派だったと思う。

この映画では、齢を取った夫婦の格好がちゃんと年齢相応になっていた。不自然な白髪頭や、描いたシワではなく、ちゃんと見れるメーキャップになっていた。時々、全然主人公が年寄りに見えない映画があるが、この作品はちゃんとしていた。

タイトルはちょっと意味不明。でも、ペネロペ・クルスは本格派女優だし、この作品は本格的メロドラマ。テレビの昼メロを観るくらいなら、こちらを勧める。

 

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