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2010年4月16日

フットルース(1984)

- 青春だなあ -

アメリカ中西部の田舎町にシカゴから高校生がやってくる。街は超保守的で、ダンスやロックなどは禁止されている。青年は卒業パーティーを企画するが、激しい反対に逢う・・・

この作品はハンサムな主人公が活躍したわけではなく、音楽などは当時でもちょっと古い感じがしたくらいで、最新の作品ではなかったが、非常に古典的な雰囲気の、出来の良い作品だった。ダンスなどで彩られた、古典的な青春映画と言える。

テーマもまとも。きちんと舞台劇で演じられそうな、考え抜いた構成、役割分担のはっきりしたハイレベルの作り方。俳優も若くしてベテランのような実力を感じる人物が多い。

ブロードウェイ作品の映画化ではないかと思ったが、意外に映画のほうが先らしい。なぜ古め、オーソドックスな作品になったのか?とにかく家族で見る分には良い結果になったが、今の若い人が観るには古すぎるという効果を生んでいるような気がする。

ラスト近くの戦いは、あっさり勝負がついていたが、いくらなんでも出来すぎじゃないか?田舎育ちの悪役は、鍛え方が足りなかったのか?

主演のケビン・ベーコンは近年は悪役のほうが多いが、この作品では実に若々しく、動きも軽やかで、魅力ある若者像を演じきっている。本職のダンサーではなかったと思うが、親の離婚が与えた影響の表現など、陰の部分の表現が素晴らしかった。二枚目俳優では、ああは行かなかったかもしれない。

敵役に相当するジョン・リスゴーも雰囲気が出ていた。普通ならもっと厳格なイメージを持つ怖そうな役者が向くと思うが、なぜか彼がキャスティングされ、結構ちゃんと演じているのが不思議。徐々に理解を示す部分では本来のイメージに合っていると思う。

街の自治のあり方が面白い。自治会を開催し、高校生も堂々と意見を述べて要求することができる。もちろん多数決で全てを決定するわけではない。ちゃんと評議会のような上部の識者に判断をゆだねるという制限がある。でも、日本とは民主主義の根幹が違う感じ。

日本でなら、「まあまあ、その意見は尤もだが、この場はとりあえず・・・」と、訳も分からないまま、なんとなくの雰囲気で決まってしまうところが、ちゃんと主張の場、権利の行使の場は設けようという伝統が一応あるようだ。常ではないはずだが。

同じ保守的な場合も、決め方、場の持ち方が違う。決定の結果も違ってくるだろう。日本側のほうが正しいことも多いかも知れないが、冷徹な判断で抜本的な変革が必要な場合には遅れを覚悟しないといけない。

たとえ未熟な人間でも、犯罪者に近い人物だと思えても、場を提供することは大事だ。多数派が陥りやすい見過ごしや、雰囲気に呑まれた過ちを正す機会がないといけない。経験豊かな評議会に一任すると良い結果につながる場合が多いが、意外に力不足の評議会も多いものだ。

政府が主催している会議の内容が時々紹介されているが、専門家と言われている人達の実力の不足に驚く。立派な意見をはいているが、根本的に予測能力が不足している場合が結構多く、自信を持って完璧に間違っているケースが多い。専門家に任せることはできない。

解らなくても知ったかぶりをしないと専門家とみなされない傾向はあるので、その結果なのかもしれない。

医者も陥りやすい誤謬のパターンだが、根本的に「・・・と思う。」「・・・と判明した。」「・・・と思われる。」「・・・と推定されている。」「・・・である。」などの微妙な言い回しが不正確なままでも認められていることが、自称専門家をのさばらせる結果につながっているように思う。

聞く相手の誤解を防ぐ慎重さが望まれる。聞く側の我々にも基本知識が必要だ。専門家が断言しても、「今のは可能性を強調したに過ぎないんだな。」というニュアンスまで判断できないといけない。

 

 

 

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