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2010年3月14日

レスラー(2008)

主演 ミッキー・ローク

- 迫力が凄い  -

レスラーである主人公は、バイトでスーパーの店員をしながらプロレスにも出場している。激しい試合になると全身血だらけ、意識朦朧となる。ついに心筋梗塞で倒れてしまった。喧嘩している娘や好意を寄せているストリッパーと仲良くやりたい。生活の糧を得るために、スーパーの仕事を増やすしかないが、体力的には厳しい。今後の生き方を模索する・・・

この映画は家族で見るタイプと違うと思う。恋人と観ても途中で気持ちが悪くなりそうなシーンもあり、不向き。かってのミッキー・ロークファンもしくは、中年以降の老いぼれかかった人が観るには良い。子供には向かない、そんな作品。

「ナインハーフ」の頃のミッキー・ロークはスターの代表だった。当時、個人的には共演の女優を見ることしか興味はなかったのだが、彼は彼なりに二枚目を演じていた。格闘技の経験があるらしく、本当に強そうな感じがしたし、動きが自然で実際にも運動神経が良いのだろう。

なぜかヒット作が出なくなって、しばらくは見かけることもなかったが、「レジェンド・オブ・メキシコ」「マイ・ボディガード」あたりでは、小悪党をなかなか良い雰囲気で演じていた。あのあたりから運が上昇に向かったような気がする。しばらくは忘れられた過去の人物だった。

「シン・シティ」に出てくる異形のタフガイは、非常に魅力的だった。あれで完全にスターに返り咲いた感じだ。長いスランプ時代のイメージは、今出ている作品の役柄にバッチリ合っている。

で、この作品は特に凄い。とんでもない熱演である。途中のデスマッチは何というのか知らないが、色んな道具を使って相手を打ちのめす変な戦い方で、迫力満点だった。あれでは、さすがに本当の怪我をしていたに違いない。

いかにもアメリカ好みの作り方を感じる。ミュージックはブルース・スプリングスティーンだって。共演の女優は、いかにも男好きのする色っぽさと、気の強そうな感じが上手かった。アメリカ独特のロードムービー的な感覚で、移動しないで旅をしているような作り方。

寒々しいようなフィルターがかかった街の風景、スーパーの中で肉を売る仕事場のコミカルな映像など、画になるシーンが多い。どこかで観たことがあるような演出だが、よくできていた。

過去に一世を風靡した人物が落ちぶれると、何とも声をかけづらいような感覚になる。特にレスラーには独特の哀しいヒロイズムが漂う。我々の世代では、なんと言ってもアントニオ猪木とジャイアント馬場が二大ヒーローだった。子供の頃は熱中して観戦していた。ファンク兄弟などとの試合は感動したもんだ。

その後、彼らが齢をとって現役から遠ざかると、特に猪木の場合はギャグ的な登場をすることが多くなり、事業にも失敗したりで散々なイメージになってしまった。レストラン「アントン」には何度も行ったものだ。肉料理が美味しかった。

彼は野望を抱いてヒーローになったし、失敗もしたが、面白い人生だったと思う。若い頃は本当にカッコよかった。今はパチンコ屋の宣伝で「イチ、ニー、サン、ダー!」なんてやっているが、当時は今の姿を想像もできなかった。

猪木以外にも哀愁を感じさせるレスラーは多い。野球選手やサッカー選手とは違った、演出と犯罪組織との関係を連想させるイメージが、独特の世界を作っている。映画には向いている題材だ。猪木の映画には期待したい。

 

 

 

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