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2010年3月 4日

点と線(2007)

主演 ビートたけし

福岡市で起きた心中事件の捜査を担当していた主人公の刑事は、単なる心中ではなく、汚職事件に絡んだ殺人を疑う。しかし署内は心中として事件は解決済みとして扱われ、捜査の続行に消極的。彼は独断で捜査を続ける・・・

・・・2007年にテレビの特別ドラマとして作られた作品のDVD.画質が非常にきれいで見やすく、音声も聴き取りやすい。しかし不思議なことに、映像がきれいになると、かえって味わいのようなものが薄れるような気がする。古い映画は、幼稚な技術でやっと作った画面と、聞き取りにくいこもった声で辟易するが、かえって重厚な感じがする。

人気役者達がたくさん出演していたが、それぞれに上手い演技を見せていたと思う。でも主演は、さすがにセリフの棒読みが気になった。

ビートたけしは事故で目の怪我をしてから表情が乏しくなり、それが役者としては味が出る効果につながっているようだ。年を取ってからは特にその傾向を感じる。でも、しゃべる機会が多いと、さすがに本職の役者さん達とは声の響きからして違う。動作も嘘くさいし、目の力も不足しているように思う。

この作品の良いところは、前作の中では疑問に残っていた「なぜ4分間の間に殺された二人が15番線ホームを歩くタイミングを合わせられたのか」とう疑問に、ちゃんとストーリーをつけて解説していた点だ。時間が長かったこともあって、説明が判りやすかった。

前作では完全な悪役だった安田社長が、今回は妻思いの人物として、ややスケールダウンというか、迫力をなくしていた点は気になった。猛烈な悪役でも良かったのでは?主人公はもちろん、様々な人間を殺しまくるくらいの怖ろしい人物として描いても良かったくらいかと思う。やはり敵が強いほど、盛り上がるのだから。

両作品とも、安田の登場の仕方が気になった。最初は背中だけ登場させて、気にならない人物としておいて、誰かが「そいつは、なぜ死んだ二人に都合よく気がついたんだ?」などと考え直して初めて顔を映すという強調の仕方が普通ではないか?最初から怪しい人物では興が冷める。

かたせ梨乃がチョイ役で出演していたが、ただならぬ迫力を感じた。役柄に応じて怖さや迫力、色気を調節できる器用さを持っているようだ。ヤクザ映画には情婦役などでよく出ているが、声色、表情など、レベルの違うものを感じた。

この作品は家族で見るタイプではないと思う。やはり昔の作品を観て、思い出なり何なりがある人が比較してみて初めて意味が出る作品だと思う。今、恋人がこの作品を見ても、年配者が見るのとは随分違った感覚であろう。面白くないとは言わないかも知れないが、普通の2時間ドラマに金をかけたのかな?くらいの感覚しかないかもしれない。

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