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2010年3月 8日

テス(1979)

- 女性限定ドラマ -

監督ロマン・ポランスキー

イギリスの農村家庭で育った娘テスは、親の命令で親戚とおぼしき裕福な家庭に経済的援助を依頼しに行くが、そこの息子の愛人にさせられてしまう。愛人の子供を生んだ後、彼女は牧師の息子エンジェルと知り合い結婚するが、彼女の過去を許せない夫は家を出ていく。彼女の実家は経済的に困窮し、彼女はまたもとの愛人生活に戻って家族を養うことになる。そこに夫が戻ってくる・・・

Photo

異様なほどの美しさを持つ少女役をナスターシャ・キンスキーが演じていた。当時は観る事ができなかったが、今回初めてDVDで鑑賞。キンスキーの美しさは確かに凄い。東欧か北欧系の娘は若い頃は天使のように美しい人が多いが、彼女の場合は娘以降も美しさが続いていた。その後もいろんな映画に出演していたが、大スターとは言えないまま終わったようだ。特異な性格を持つ美人という役柄が多かった。

そのほかの役者は初めて見るような人がほとんど。印象に残る人は、あんまりいなかった。キンスキーのための映画だったのか? もともとは監督の奥さんのシャロン・テートが自分で演じるために持ち込んだ企画かも知れない。

この作品は断然女性にオススメ。子供には教育上良くない。男だけで見ると辛く、気分がなえるような作品。家族で観る映画では全くない。

ポランスキー監督の映画は、後年のオリバー・トゥイストなどもそうだが、暗く見ていて辛いような作品が多い。時にはチャイナタウンのような傑作も作るが、趣味がおかしいのではないかと疑いたくなるような独特な暗さがある。本人のスキャンダルのせいもあるかもしれないが、何か異常な雰囲気が漂う。

この作品のナスターシャ・キンスキーの演技、演出は上手かったのか判らない。美人の魅力は感じても、女の情感や悩みを表現できていたのか、自分にはつかめなかった。どうせ女心が判らない私だから、微妙な表現をされると理解する自信はない。できれば「今彼女は相手を嫌っているが、キスくらいはOK。」といったテロップでもつけて解説して欲しかった・・・?

女の人生の不幸な結末を描いた作品は多い。「女の一生」なんか、まさにそれだ。先日見た「道」も同様。「道」の場合は他の要素も多かったので余韻が違ったが。この種の作品では全体としては悲劇的なんだが、時々わずかな嬉しいこと、おかしいことを織り込むと、かえって全体の悲しさが増強されるという現象がある。この作品で、友人の農婦が笑い話をして二人で笑うシーンも効果的だった。

出産や育児が不幸な結果に終わるストーリーもよく見る。純愛がすんなり行かないのは必須条件だ。今回の場合は夫の無理解が悲劇的だった。聖職者では無理もないかも知れないが、もっと度量も必要だったはず。悲劇を避けることも考えるべきだった。

テスの場合の不幸には色んな条件がそろっていた。アル中の父親、貧困、子だくさん、好色な雇い主、生真面目すぎる夫、そして時代。今なら都会に出て何かの仕事を得て自立することも可能かも知れないが、昔は難しかっただろう。社会保障制度が充実していないと、愛人になる選択しかないのかもしれない。

昔は日本でも似たような事例は多かったのではないか?先日亡くなった知り合いの社長さんも3人くらい愛人を持っていたらしいが、子供がどうしているのかは知らない。子供のことを考えると愛人を作る勇気はない。そんな甲斐性もない。

子供と逆上がりをやっていたら、苦労してやっとできるということに気がついた。小学生の頃は得意中の特異だったのに・・・ 蹴上がり、前転後転くらいは朝飯前だったのに・・・こんなに体力が落ちているなら、もう子育ては無理か?そもそも、金も勇気も相手もない。

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