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2010年1月 9日

愛と哀しみの果てに(1985)

- 文芸大作だなあ ー

主演 ロバート・レッドフォード メリル・ストリープ

デンマークの資産家の娘カレンが、結婚してケニアに赴く。しかし夫は家業の農園経営には無関心で、女遊びと狩に熱中する。彼女は梅毒をうつされ、夫との仲も悪化し、やがて別居することになる。彼女の生きがいは農園経営、現地人の教育、文学談義、そして現地のガイドを務めるデニス との逢瀬。しかし、自分の自由を大事にするデニスは結婚は承諾してくれない。

原題は「アウト・オブ・アフリカ」。原作者のカレン・ブリクセンの自伝的な物語。若い頃から小説などを書いてはいたらしい。女の一生の冒険バージョンといった感じか。

1910年ごろにアフリカ内陸部に嫁入りするなんて、度胸もあったのだろう。才気あふるる女傑だったということか。現地人との関係は、映画では非常に良かったようだが、実際には相当な摩擦もあったのでは?省略されているだけだろう。

背景になっているアフリカの景色が非常に美しい。アフリカは砂漠の大地のイメージが強いが、ケニアやエチオピアあたりは高地だし、緑が美しいようだ。湖~川の上空を飛行機で遊ぶシーンは、神を感じざるを得ないほどに美しい。

カメラの調整具合も、懐かしい名画の色彩を思い出させる。最近の作品は、カメラの性能が違うのか、より鮮明でひとつひとつの物が細かく見えるが、この作品はちょっと鮮明さに関しては劣る。でも懐かしい。

監督のシドニー・ポラックも頑張ったと思うが、ホントに大作。アカデミー賞を取っている。でも、この作品はちょっと長すぎる。余計なシーンを削って欲しかった。上手く描いていたし、同じような大作の「オーストラリア」などとは比べものにならない高いレベルを感じるが、いかんせん面白いとは言いがたい。

女性には受ける要素が多いとは思う。奥さん連中にはオススメ。子供には全くダメ。男族にも、いまひとつ。恋人といっしょに見ていたら、梅毒のことが気になる可能性もある。家族で観るには長すぎる。そんな作品。

描き方には全て念が入っている印象で、主役の二人はもちろん、端役の黒人達に至るまで、皆が何かを表現し、趣のようなものを漂わせている。でも、それが徹底しすぎて、長くなりすぎた感じか?

主演のメリル・ストリープがまだ若く美しかった頃で、初々しさも感じる。昨今の迫力ある助演ぶりとは相当に違う印象がある。でも、当時から気迫だけは感じられた。テレビシリーズの「ホロコースト」で初めて観た頃から、意志の強さを表現させたら一品だった。

ロバート・レッドフォードも、なかなか存在感がある。当時はまだ二枚目の代表だったが、自由を求めて頑固なところを上手く表現していた。ハリウッドのスターよりは地味な生き方をしているらしいが、きっと主人公と通じる頑固なところがあるのだろう。そんなイメージが、この作品では生きている。

生活することだけで冒険のような地域に乗り込んだ女性の話は、たびたび映画の題材になっている。やはり、たくましさがカッコいいし、波瀾万丈は観ていて楽しい。しかし、迫害された現地の人達もいたはずだし、懐かしい開拓時代の英傑物語だけですまないのが本当ではあるだろう。

そもそも、デンマーク人がアフリカにいること自体がおかしい。いかに高潔で勇気あふれる好人物だったとしても、現地人とどのような契約書を交わしたとしても、存在が許されないのでは?

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