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2009年10月 2日

バス・ストップ(1956)

- 鑑賞に耐えうる -

主演 マリリン・モンロー

カウボーイと酒場の女の物語。酒場の女は、自分では将来はハリウッド・スターを夢見るエンターテイナーと思っているが、観客は彼女そっちのけで会話に熱中する程度のレベル。ところが、彼女を見初めた男がいた。彼は田舎から出たことがない純情男で、いきなり彼女との結婚を求めて、強引に故郷に連れ帰ろうとする。田舎など嫌な女は、周囲の人達の協力を得て逃げようとするが、強引な男によってバスに乗せられてしまう。さて、無事逃げ出すことが可能かどうか・・・

・・・この作品はリマスタリング版で鑑賞。映像はきれい。昔の映画なんだが、テンポも悪くない。いかにも芝居臭いのが気になるが、充分鑑賞に耐えうる映画だと思う。現在の映画よりは遅い部分もあるが、会話の仕方などは自然に近い感じがする。

おそらく定番の舞台劇風の脚本を作って、その企画に手馴れたスタッフが集まって作った感じか?ちょっとわざとらしい臭いがする演出ぶりだった。したがって、若い観客にはあまり好感を持たれないかも知れないが、演劇に興味がある人は喜ぶような気がする。小さい子供に受けるかどうかは解らないが、子供も観れる映画だとは思う。

舞台と人物はちゃんとそろっていた。ロデオ大会で派手なパフォーマンスをやらかす頭のおかしい若者と、困って逃げ出そうとして、かえって目立ってしまう、こちらも多少頭の足りない女。場所の設定としては抜群だったし、キャラクター設定もいかにも愛されそうな人物になっていた。

バス停留所というと、日本では薄暗い陰気なイメージがあるが、この作品ではレストランになっていた。あんな寂しい場所で経営が成り立つのか知らないが、あちらの停留所は広くて明るかった。二階には寝る所もあったようで、さすがに広い荒野を行くバスの場合は、遭難しないように、あれくらいの設備が必要なんだろうか?

マリリン・モンローの演技は良かった。「お熱いのがお好き」よりも自然な演技だったように思う。もともと演技派とは言えなかったかもしれないが、充分にキャラクターが伝わってきて、愛すべき人物を演じていた。彼女が歌っていたら、いかに下手くそでも、客は女のほうを気にしそうなもんだが、ちょっと調子が外れた歌と踊りを無視されるシーンが笑えた。

カウボーイといっしょに田舎で暮らした彼女のその後を記録した貴重な写真がある・・・というのは冗談。

Photo

停留所を思い出す。停留所にはドラマがあった。

子供の頃はバス停留所が駄菓子屋になっている所があって、乗るのが楽しみだった。今でも覚えているのは、カバヤだったか?恐竜のカードが入ったキャラメルがあって、停留所に行くとそれをお小遣いで買うことができるのだ。近所の店に、それは仕入れてないので、そこに行くしかない。新しいカードだと万歳だが、同じ恐竜だとガッカリ。お小遣いの残りを確認しながら、あと一箱キャラメル買ったら来月は買えなくなる・・・難しい選択だ、などと必死に計算していた。

そもそもバスに乗ってるのは虫歯の治療のためなんで、お菓子を喰っていたら意味がないじゃんという理知的考えも多少はあったのだが、目の前のお菓子の魅力には敵わないのであった。

いろんなお菓子があった。割り箸に飴が塗ってあるのは当時でも古めかしい印象があったが、当たりが良く出るので有り難かった。ビンに入ったスルメは、子供心にも体に悪いような感じがして敬遠した。保存料は何が使われていたのだろう。カルミンは、まだまだメジャーなお菓子だった。バッカスというチョコレートを初めて買ったときは大人になったような気がしたが、帰りのバスで酔って吐いてしまった。

駄菓子屋の土間になった空間には長椅子が置いてあって、待っている客同士が世間話をするのだが、今では考えられないほど時間に余裕があったものだ。皆が平気で2時間くらい待っていた。あの椅子の木の色合い、汚れ具合まで覚えている。退屈なので眺めていたからか?でこぼこで、気をつけないとささくれが刺さりそうなのだ。

今は秒単位で動いているので、バスを待つだけでイライラしてくる。乗ることはほとんどない。排ガスの臭いが嫌いだし、客の視線も嫌だ。つり革にはバイキンもいるだろう。熊本市の熊バスの本部は辛島町の角にあったが、日照が足りない構造と排気ガスと人ごみのせいで居心地が悪かった記憶がある。今は随分きれいになった。

 

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