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2009年8月22日

チェンジリング(2009)

- 静かすぎか -

主演 アンジェリーナ・ジョリー

電話交換手として働く主人公は、突然息子を誘拐される。警察に捜査願いを出したが手がかりはなく、絶望的かと思われた。ところが、ある日子供が発見されたという。警察は手柄を大きく公表すべく、主人公を駅に呼ぶ。列車から現れた子供は、しかし息子ではなかった。いったい、この子は誰なのか?そして本当の息子はどこに?謎を探っていた主人公は警察の反感を買ってしまい、強制的に精神病院に入院させられてしまう・・・

・・・チェンジリングとは子供を取り替えるといった意味の言葉らしい。題材となった事件は本当のことらしく、映画の登場人物の名前も全て実際と同じだそうだ。

映画ではボカしてあったようだが、犯人は幼児虐待、買春目的で拉致し、同様の趣味の客もいたらしい。

古い時代の街並みを丁寧に再現していたようだ。色彩が暗めのシーンが多く、重厚な雰囲気。

映画のテンポは落ち着いていて静かな作品だったが、その分盛り上がりには欠けたかも知れない。観客を集めることにこだわりすぎて映画が安っぽくなるのがいやだったのか。安っぽくなる可能性はあっても、もっとセンセーショナルな作り方もあったかも。例えば、ポール・バーホーベンのような監督が作ったら、いったいどんな激しい作品になったか興味がある。

猟奇殺人の怖さの演出に関しては、あまり力を入れない方針だったようだ。その代わり、主演の演技に注目させる演出は濃厚で、アップのシーンも多かった。演技は上手くて欠点は感じなかったが、本当にアンジェリーナ・ジョリーが適役だったのかは判らない。少し化粧が合っていない気がした。肉感的な唇が特徴のセクシー女優が演じるべき役だったろうか?

清楚だが芯の強いイメージの女優のほうが合うと思う。弱々しさ、華奢であることが同情につながる。そのために、微妙に感動が薄れたような気がしてならない。

この作品は子供には向かない。家族で観る作品ではないようだ。恋人といっしょに見るのも勧められない。楽しい映画ではないし、母親の生き方に感動はするものの、テーマが恋愛とは関係ないからだ。夫婦で観るのは最高かと思う。

民主主義国家のアメリカで、警察の指示で市民が簡単に精神病院に入院させられるような時代があったことは信じられないことだが、紛れもない事実らしい。戦時中、日系人を強制収容所に入れてけしからんと思っていたが、別に特別なことではなかったようだ。

テロリストやギャングと戦うために強力な権限を持たせていたから、場合によっては逆に犯罪を警察がやってしまう副作用もあったということか。

警察組織のあり方は国により、時代によってずいぶん違う。フランスなどは今も結構厳しい捜査をするので怖いと聞く。人種も宗教もいろんなやつらが集まる国なので、捜査しようとすると強力な権限を持たない限り反撃されるからだろうか?

最近、タレントの酒井法子が逮捕されたが、現場にいた警察官は酒井容疑者が怪しいことに気がついたと思う。もしかすると最初から捜査中だったのかも知れない。なのに、尾行もつけずにその場を立ち去らせたのが解せない。逃亡して数日行方が判らなかった。

今回は運よく無事だったが、場合によっては事件の発覚を悲観して自殺しても不思議ではない。明らかに怪しいなら、逃亡を許すのは失態であるし、職務以前の人道面での配慮が足りないのかもしれない。死なせてはいけない。

自殺を予防するのに必要な権限がないのかもしれない。単に能力や緊張感の問題かも知れない。

去年頃、熊本検察庁に犯罪容疑者を搬送していた女性警官が、エレベーターのドア操作のミスで手首を切断する事故があった。容疑者だけが先に上がって、警官が下に取り残されたからだが、現場でいっしょにいた警官達は何をしていたのかと驚く。緊張感を持って仕事していれば絶対に起こりようのない事故だ。

警察官に学校の成績は必要ないが、緊張感、使命感は必要だ。単に安定した職のひとつと考えて就職されては困る。

いっぽう、この映画に出ていた二人の医者、看護師達は怖ろしい連中だった。周りの医者連中を見ても、モラルを保って行動できる人間は多くはない。官僚や警察、軍隊に権限を与えすぎると、いいように利用されそうだ。司法が権限を持ちすぎると、暴走してしまうのは国を問わない現象らしい。

 

 

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