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2009年8月 4日

プリシラ(1994)

- ゲージュツ -

シドニーのバーで働いていた主人公達オカマダンサーは、砂漠の真ん中アリススプリングスのショーに参加するため、はるばる荒野をバスで旅することになる。途中、口喧嘩や車の故障、乱闘騒ぎなどを経験しながら、ホテルに到着。ホテルの支配人は、なんとメンバーの一人のかっての妻(女!)で、彼らの間には息子もいたのだった・・・

・・・この当時のDVDは良かった。本編がいきなり始まるので、時間のロスが少ない。今のDVDは余計な宣伝をいちいち飛ばして見ないといけないので、最初で疲れてしまう。客へのサービスとしては好ましくない設定だ。

この映画は、まさにゲージュツだ。

バスの屋根に乗ってマントをひるがえす美しい姿は芸術的である。ケバケバしい衣装に身を包んで岩山を登る姿も、なぜか美しい。顔を見ると気持ち悪いが・・・

ガイ・ピアースは顔立ちが美しいのでオカマもサマになっていたが、他の二人はあえて最もオカマらしくない役者を選んだかのような人選だった。でも悪役が似合うテレンス・スタンプとヒューゴ・ウィーヴィングの両者は、凄みと哀愁の表現力はあった。

ガイ・ピアースの芸域の広さには驚いた。LAコンフィデンシャルのタフな警察官や、告発の行方でのクールな軍人を同じ人物が演じているとは思えない。

ヒューゴ・ウィーヴィングがいちおうの主人公らしいが、砂漠の真ん中で真面目にダンスの練習をするのが可笑しかった。主人公の性格を現しているし、同時に滑稽さが感じられる狙いがあったのだろう。ダンスが上手かったら、さらに可笑しかっただろう。

ほとんど無表情と言ってよいテレンス・スタンプがまた可笑しい。若い恋人に突然死なれてしまったという設定や、全く美しくない踊りなど笑わせる。エリマキトカゲを演じたステージは気持ち悪いが、素晴らしいショーだった。

ロードムービーとしての出来栄えはすこぶる上級の部類に入る。途中出会う人達との交流、危機に際してのギャグめいた行動、おかしく悲しい運命、心の結びつきなどを上手く織り込んで退屈しなかった。編集も手際がよく、素人くさい部分がなかった。

涙したり、何かを学ぶ類の映画ではなかったが、妙な感動めいたものが感じられた。あまり共感できないのだが、彼らなりに懸命に生きていることが伝わってきた。さて、この映画は誰と観たらいいのだろうか?難しいが・・・.もし身近にゲイの方がいらしたら、その方といかがでしょうか?

 

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