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2009年5月14日

恋人たちの予感(1989)

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- 自虐性がいい -

映画の冒頭で、ハリーはサリーと会う。たまたまニューヨークに同行することになったのだ。二人は別々な道を歩み、5年後、10年後に出会い、たまに食事もする仲になるが、お互い男女としての付き合いはない。お互いに恋愛に失敗し、慰めあう仲。

二人の間ではさまざまな会話が繰り広げられる。「男と女でセックス抜きの友情は成立しうるか?」は大きなテーマだ。二人の友人同士が結婚することになるが、二人はケンカしてしまう。ついに二人の仲もこれまでか?そんなはずはない。きっとハッピーな展開が待っているはず・・・

・・・When harry met sallyというのが原題らしい。邦題はいまいちか。1989年公開だから、もう20年位前の作品になる。公開当時は忙しくて見れなかった。しばらくして、結構いい作品らしいと誰かに聞いてチラと見てみたが、仕事の合い間に見るので話が飛び飛びになって全体を通して観たのは今回が初めて。

テーマとしては、いちおう男と女の間で友情は存在しえるか?を扱っているようだが、作品の主体はくっつきそうでくっつかない男女の純然たるロマンティック・コメディであると思う。ただし、ドタバタ劇は少ない。比較的大人しい語り口であった。

くっつき具合が面白い。簡単に仲良くなってしまうと何の楽しみもない。いがみ合い、ののしりあうシーンがないとダメである。この作品のメイキングビデオを見ていたら、脚本家や監督自身が似たような経験をして、それをアイディアとして作品化したらしい。適度にアイロニーに満ちているのは、そのためか?何となく自虐的な悲しみをはらんでいる。

それが味わいになっている。単なるドタバタのラブコメではヒットしないのだ。

メグ・ライアンが実にかわいらしい。学生の頃と、大人になってからの表情を上手く変えている。実は結構な演技派だ。メイキング編で、「私の実力・・・」うんねんのことを話していたから、かなり演技に自信を持っているのだろう。単なるカワイコちゃんのラブコメ女優ではないということか。

でもレストランでイク真似を見せるシーンは、ちょっといまひとつではなかったか?あんまり激しいと笑えなくなるから遠慮したのか?

彼女は私と同年代なので、もうそろそろお婆ちゃん役が合う年齢になっているはずだ。このまま引退へと向かってしまうのだろうか?大人の恋物語なら、まだまだいけそうな気がするのだが。

ニューヨークの風景が美しい。建物も結構選んであるらしく、バックの光景が画になる場所をちゃんと設定している。当たり前だが、そのへんで手を抜くと作品の味わいが変ってしまうようだ。

二人が電話しながら、別々のベッドで同じ映画を見るシーンは面白い。あの構図は別な作品でも観たような気がするが、このように一目瞭然に表現されたシーンだと、観客の側からも二人が変な関係であることがよく解る。

ところで、男女の間で友情は成立しうるだろうか?可能だと思うが、ただ実際のところ自分には女友達と言えるような女性はいない。

クリニックの職員は、ほとんど友達のような関係だが、いちおう労使関係なので心から深く付き合っているわけではない。心からの友情を持てるような女性がいたら楽しいだろうが、仲良くなったら男女関係に発展しそうな気がして怖い。たとえどんなにブスで男のような女性でも、仲が良くなれば自然に男女関係に発展してもおかしくはない。友情だけで維持できるのは、よほどの自制がないと難しい。

女性はどのように感じているのだろうか?常に体の関係を欲している人は少ないと思うが、友情を保っていく中で、酔っ払った時など、たまに発作のように「そんな気」がになる場合はありそうな気がする。飲み会で看護婦さんに「今夜どう?」って、何度か誘われたことがあったが、いつも望まれているわけではなっそうだった。

要するにイケメンにふられてヤケになっているときなどは、私のような「非イケメン」にもお誘いが来る可能性がある、そんなものかもしれない。おこぼれのための予備という扱いであったわけだ。この映画でもそうだった。

卒業の頃、同級生から突然交際を申し出られたことがあった。冗談だろ?なんで私なんぞに?いい娘だったので驚いた。普段は全く付き合いがなくて会釈する程度だったのに、何でまた急に?想像するに、他の誰かからふられたのか、ひとりのままで卒業するのがイヤだったからか?私のような薄汚い学生でも、いないよりはマシと思われたのか?断ってしまったが、もったいないことをした。あんないい娘はいなかった。

医学部の女性は男勝りな娘が多いので、結婚すると精神的に苦労するだろうが、とにかく努力を怠らないし、意志の強さを持っていることは間違いないので、人間的に信頼できると思う。同じ大学に入っているなら、きっと男より数倍の頭のよさ、精神力の持ち主だと考えていい。例え男のような人でも、尊敬すべきだ。申し出を断っては失礼だ。

作品の中で時々挿入されるインタビュー形式の老カップルの出会いの話が面白い。使われなかった例もメイキング編に載っていたが、これも面白かった。

この作品は子供には向かないと思うが、マセガキは好むと思う。結構、我々と同じようにクスクス笑えるはず。さて、恋人といっしょに見るかだが、あんまり良くはないかも知れない。最適なのは、30代以降の年代の人が、友人といっしょに見る場合だが、子育てが終わらないと、なかなか難しいかも。

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