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2009年3月22日

ウォンテッド(2008)

- 実は演技派 -

主人公は事務所でパソコンを前に、客の管理をするサラリーマン。今日も上司に小言を言われている。恋人は同僚に奪われ、銀行の預金残高は少ない。彼は苛立ちを鎮静剤で抑える毎日。

そんなある日、色っぽいネーちゃんが彼に話しかけてくる。彼を暗殺者集団に誘うために。ありえない申し出に驚く主人公だったが、続いて激しい銃撃戦に巻き込まれ、彼らの世界に入ることになる。そして、隠された真実を知ることになるのだあ!

・・・DVDで観賞。まさか映画館で観ようとは思わなかったが、これは映画館のほうが断然迫力があったろう。

主演のジェームズ・マカヴォイの演技力と演出は、実は凄いものがあったように思う。ほほの肉がブヨンブヨンと動く様は、たるんでる部分を見せるのには効果的だった。特にこの作品では、それをスローモーションで見せるので、はっきりと解る。始終謝っているような情けない姿を演じさせたら、これ以上の演技はなかったかもしれないと思った。

いかにも香港映画的な映像ではあったが。

彼はヒーローの演技を要求されると、ちょっと無理がある。いかに胸板を鍛えようと、にじみ出る迫力は期待できない。凍りつくような冷徹な視線でもいい。そこを演出できれば、もっと凄い映画になったかもしれないと思った。

全体にデキは良かった。高尚なテーマがあったわけではないが、親子の想いもテーマになっていたし、アクションは凄く、助演者達の迫力もあったし、意外な展開が待っていたりでストーリー展開もまずまずだったと思う。

この作品は、でも子供にはあんまり良くない。品がないし、もともとマンガ的だから、深い感動を味わえるはずもなく、家族で観るのはあんまり好ましくない。恋人といっしょに観るのには悪くないと思うが・・・

助演のアンジェリーナ・ジョリーは、私的にはちょっと化粧のミスか?と思ったが、あちらのファンは満足しているのかも知れない。BGMが古いロック調だったので、ゴスロリ風のファッションをイメージしていたのかも知れない。色っぽいと言えば、凄く色っぽかった。

モーガン・フリーマンは、いつもの彼とは違った役柄だったようだが、やはり迫力はあった。

原作を読んでいないが、ビルの窓から隣のビルに飛び込むシーンなどは、原作に忠実に作られているらしい。登場人物たちも原作と似たようなイメージで演出されたのかも知れない。しかし、忠実にすることにはこだわらないほうがいいと私は思う。そんなことに予算を使うより、映画が盛り上がることに集中したほうが成功率が高いと思える。

バットマンなどは完全にそうだ。原作は、ダークナイトのように悪役に比重を置いていないはずだ。てこずったとしても、カッコよく敵を倒すヒーローの姿が中心なのがマンガの場合だが、それにこだわるとお子様作品になってしまう。重点を映画向きに変えたほうが、盛り上がるのではないか?

そう考えるなら、ストーリーはそのままとしても、主人公を悪役的なキャラクターにしたほうが良かった。不良、イジワル、冷血、執念深い、など悪い行動を取りながら、義務感やヒロイズムを併せ持つ男をイメージしたら、もっと観客に訴えるものがあったと思う。もし原作者が許してくれるなら、そうしたほうが良かったのではないか?

スローモーションが多いことや、二挺拳銃の銃撃戦などは香港映画の影響が相当に濃厚だった様子。でも、この作品の銃撃戦は、ただ激しいだけではなく、連続性、ファンタジックなアクロバット的な要素を演出していた点が進んでいる。これからの銃撃戦は、ただドンパチするだけではダメなんだろう。

 

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