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2009年3月 4日

ザ・ロック(1996)

- ニヒル? -

 

孤島にある刑務所跡地には、今は観光客が訪れる。そこに元海兵隊の兵隊達が人質を取って立てこもる。彼らは神経ガスを搭載したミサイルを持っていて、要求を聞かないとサンフランシスコを攻撃すると通告してきた。

軍の化学斑のニコラス・ケイジと脱獄犯のショーン・コネリーの元に依頼が来る。刑務所に侵入し、しかも敵のたくらみを防止するという難しい役割を担うことになったコネリーらの活躍が始まる。

・・・難攻不落の要塞を攻めるアクション映画。今回の要塞は、刑務所。確かに刑務所なら簡単に出入りはできないはずだし、爆発や銃撃にはもってこいの場所であろう。 

この作品はよくテレビで放映される。ということは、たぶん人気があるんだろう。今までにも子供の世話をしながら何度かチラッと観たことはあったが、しっかり全編にわたって見たことはなかった。今回テレビで鑑賞。 

ロックというのは監獄があったアルカトラス島が岩だらけだから付けられた愛称らしい。アルカトラス島は何度か脱出を扱った映画の舞台になっていた。

この作品は確かにデキが非常に良い。製作者にはショーン・コネリーも加わっているようだが、何と言ってもジェリー・ブラッカイマーがいる。観客に受けるためには何でもするし、適切な手を打ってくるような印象の強い人物である。何か優秀なスタッフが力を尽くして作ったような印象を受ける、若々しい雰囲気がする作品だ。

私にはニコラス・ケイジの良さが相変らず解らない。主演は彼でなくても良かったような気はする。軍事に素人で、ピントがずれている感じは伝わってきたが、一生懸命に作戦に従う感じを出そうとするなら他の役者のほうがいいような気もする。

サンフランシスコの坂道でカーチェイスをする場面では、彼の役柄とは違う激しいアクションスターとしての役割だったが、この役はスーパーアクションヒーローなのか、素人の化学者なのか、いったいどっちなんだ?キャラクター設定を間違えてないか?

ショーン・コネリー、エド・ハリスという渋すぎる役者が存在感を持っている。彼らのような大御所的な俳優が絡むことで、キャリアの若い兵士役の役者達が懸命に動いていることによる軽さを補ってくれるような気がする。若い役者ばかりでは熱意ある演技がクサく感じられて空回りしてしまうので、彼らベテランの働きは実に有効だった。

あらためて思うに、ショーン・コネリーの映画は、ほとんどがかっこよく決まる。独特のキャラクターがそうするのか、かってのイメージがそうさせるのか、とにかくハズレが少ない稀有の役者である。他のヒーローではこうはいかない。

シュワルツェネッガー、ハリソン・フォード、スタローン、ブルース・ウィリス、いろんなヒーローがいたが、結構力を入れてヒーローを演じようとしたにもかかわらず失敗した作品がかなりある。ヒーローを続けるのは本当に難しいのだ。ブルース・ウィリスなどは特に表情がクサすぎて可笑しいと思える時がある。臭さと、ニヒルさ、渋さとダサい印象をうまく演じ分ける感覚が必要なのかも知れない。

私は最初から諦めているので、ファッションもヘアスタイルもほとんど気にしないから、ダサさの塊のような格好をしている。

恥ずかしながら10年間同じ服を着ている。服を買うこともあるが、基本的にジャージが多い。ひどいのになると、学生時代のジャージがまだ現役で活躍している。時にはジャージ以外の物も買うが、ホームセンターがほとんどだ。もちろん中国製~ベトナム製。

着ている物の値段を全て合計しても、ブティックのジャケットひとつに遠く及ばない。家の中でなら構わないのだろうが、そのまま外に出る事がある。こんなセンスでは、けっしてヒーローにはなれないだろう。格好も大事だと思う。もちろん顔やスタイル、話し方、考え方も大事だが。

・・・この作品は、家族で楽しめる。これはヒットの大事な条件だ。家で観れないなら、ビデオの売行きにひびく。そのためには残虐なシーンも、演出方法を選ばないといけない。兵士たちが激しく銃撃されるシーンや殴りあうシーンは何度もあったが、手足がちぎられるような残虐さはなかった。

恋人と観たいと思えない映画は、マイナーな劇場で細々と上映されるしかない。この作品には恋愛はあまり関係なかったが、親と子供の愛情が主人公達の行動に関係していたことをちゃんとセリフで言っていた。そのへんの心配りがないと、いかにアクションが凄くても、「ああ、あの映画のアクションは良かったね。」から、やがては「あの映画のアクションは古いね。」と、だんだん評価が下がっていく傾向にある。

あざといくらいに、いろんな物を盛り合わせて作った作品。受けるべくして受ける。

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