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2009年2月 2日

クローバー・フィールド(2008)

‐ 手持ちカメラの効果 - 

今夜は主人公の旅立ちを記念して、仲間が集まってパーティーが開催されている。最近まで付き合っていた彼女には、結婚を言い出せないままでいるうち、とうとう喧嘩別れをしてしまっている。彼女も顔を出す。でも、別な男と交際を始めているようだ。

主人公の兄は弟の門出を心から祝ってくれている。少々頭の悪そうな友人に、このパーティーの記録をするためにビデオ撮影を頼む。でも、このカメラマンは、自分の好みの女の子の記録に注意が行ってしまっている。女の子は別に主人公とは付き合いもなく、ただパーティーがあるから来ただけのようだったが・・・。

そんな時、激しい揺れが町を襲う。どこかで爆発音が響く。停電になる。一体何が起こったのか?

屋上に上がった一同は驚く。何かとんでもないことが起こっている。爆弾テロか?とにかく避難しないとヤバそうだってなわけで、皆は道に下りてくる。すると巨大なものが飛んでくる。大きな銅像の頭・・自由の女神だ!ギョっとする一同。あわてて避難を開始するが、主人公は別れた彼女が気になる。どうやら動けないらしい。

危険な地域に入るのは怖ろしいが、彼女を救えるのは自分しかいない。主人公は危険地域に戻り、仲間は彼を追う。彼らが体験したものは、想像もできなかった怖ろしい生物との戦いであった・・・・・・

・・・・・手持ちカメラを主体にした作品は昔もあった。しかし、この作品ほど上手く臨場感を出せた作品を観た記憶はない。この作品は手持ちのカメラの特性を上手く使った傑作だと思う。

手持ちの画像は、やや見にくいから、バケモノの映像をこれだけで見せていると、おそらく作り物であることがはっきりしてしまい、不興を買う結果になるだろう。でも、やっと見えるくらいに登場を制限したことで、鮮やかでないことがかえって不気味さを盛り上げる良い効果を生んでいた。

登場人物達は、そんなに有名な役者ではなかったが、充分な演技をやっていた。どの人物に、どんな役割を与えるかを念を入れて作っていたことが解った。そのために逆算して、パニックが起こる以前の人物の感情を色々と説明されていた。したがって、我々はなぜ登場人物が危険を犯して恋人を救いに行くのか、なぜカメラを持ちながら走っているのかを理解できる仕組みになっていた。

でも、どうしても無理はあった。

いくらなんでも身の危険を犯しながらカメラを抱えて逃げるのはおかしいし、本当に走りながらビデオを撮ると、手の動きで何が何だか解らなくなるはずだが、そこまでリアルにできない。

自由の女神の構造がどうなっているのかは知らないが、大きな建築物に打撃を加えた場合は、バラバラになって原型を止めない状態になってしまうはずであり、自由の女神の頭部であることなど解らないのが普通だと思う。きれいに頭が飛んでくるなんておかしい。

瀕死の状態だったはずの女の子が、結構元気になって走って逃げるのもおかしい。数人で運んで、引きずっているうちに皆が襲われてしまうというのが自然だったのではないか?ヘリに乗り込む必要はあったのか?

最後までバケモノの全体が見えないほうが良くはなかったか?我々のほとんどは、巨大なものに襲われたら、下から見上げることしかできない。ほんの一部を見ながら、ただ逃げ惑うことしかできないはずである。その視点を貫いても良かったと思う。その視点が、この作品の特徴なのだから。

この作品は、家族で観るのはどうか?小さい子供には向かないと思う。何か悪い夢を見そうだ。友人や恋人と観るのはオススメ。きっと満足する。

 

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