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2009年2月18日

どろろ(2007)

- テーマの再検討を -

中井貴一演じる侍は、ある寺で魔物たちと取引をする。生まれてくる自分の子供の体と引き換えに、自分に天下を取らせてほしいと。魔物たちは子供の体を分配し、契約は成立。生まれてきた子供はバケモノのような姿。こっそり川に流される。

子供は不思議な超能力者~医者のような男に拾われ、体に細工を施した状態で成長し、妻夫木聡演じる男(百鬼丸)になる。彼が魔物を退治すれば、奪われていた体が返ってくる。いつのまにか道を伴にする少女’どろろ’と魔物退治の旅を続ける。

ある寺では捨て子の霊と遭遇する。そして、この寺を取り巻く魔物の正体が明らかになる。気色悪いチョウかガのバケモノが登場する。

そして荒野で中井貴一とも対決する。対決が終わったかに見えた時、新たな魔物が登場し、また新しい契約を提示する・・・

・・・テレビで観賞。画面のフィルター効果はバツグンだった。撮影は、おそらくニュージーランドあたりか?草原での戦いは、ちょっと話に合わない気がした。それに草原でのシーンが多すぎる。バケモノとの戦いのシーンを長く取るべきだった。

主役の妻夫木には違和感を覚えた。彼は、やさ男すぎる。もっと陰のある俳優でないと雰囲気が合わない。彼がいかに深刻な顔をしても、作った顔が明らかに解る。とは言えど、じゃあ誰が演じればいいのかは解らない。TOKIOの長瀬君なんかは近いと思うんだが。

柴咲コウの演技は悪くないと思ったが、でも設定には無理があった。本当の子役で上手い人がいたら、そっちのほうが哀感が出なかったろうか?誰か不幸が似合いそうな薄幸の雰囲気のする子役が・・・?

母親役の原田美枝子は年をとったなあ、と感じいった。あの美人でスタイルバツグンの演技派女優が・・・・

原作は手塚治の有名マンガ。以前はテレビアニメで放映されていた。おどろおどろしい雰囲気の原作だったが、この映画では魔物の数が少なかった関係で、アニメのような戦いの面白さ、様々な魔物の訴えみたいなものは表現されていなかった。

原作で最も印象に残っているのは、今回も出ていたチョウのバケモノである。演じていた土屋アンナの顔は役に適していたが、セリフの言い方が怪しくなかった。原作では確か正体を見破られた時に「口惜しやあ~。」というセリフで、般若のような顔の妖怪がゆっくり上昇したように記憶している。あれは能をイメージした姿だった。

せっかく能を使っていたんだから、原作に敬意を表して真似ると良かったのでは?

それと妖怪の木の話は省略されていた。古くなって魔性を宿すようになった木が、人間を吸い込んでしまう話だった。あれは自然破壊に関する問題提起の意図がある話だったように感じた。

他にも人間の犯す過ちの数々で妖気を持つようになった魔物たちがいろいろ登場していた。彼らによる問題提起が原作の良さだった。あれがテーマとして欲しかった。親子の諍いは、テーマとしては扱いにくい。

CGの映像は悪くなかった。ハリウッド映画のような派手さはなかったが、充分に気味の悪いバケモノが登場していた。ただ数が少なかっただけだ。予算の関係か?

物語は途中で親子、兄弟の話になってしまったので少々退屈になった。剣劇も相当に練習したことは解るレベルだったが、それだけで魅せるほどの鮮やかさはなかったと思う。とにかくバケモノをもっと登場させるべきだった。最後に親子の対決があれば良かったのだ。

原作では親子の対決を眺めていたバケモノ達が数匹固まってヌエのような怪物が登場し、一網打尽にする場面があったような気がする。あれこそ映画向きではないか?

 

 

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