映画評

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2009年2月14日

椿三十郎(2007) 

- 役者の個性とギャップが -

ある藩に、織田裕二演じる浪人が訪れる。

この藩では、折りしもお家騒動が勃発している。何か不正な利益を得ていた藩の重役達が手を組んで反対派の若者達を捕らえ、反対派の重役を殺して悪事を彼のせいにしてしまおうという計画を練っていた。

それを知らない若者達は、お堂に集まって相談をしているが、浪人がこれを聞いていて、「お前ら、ちょっと待て。」と話し始める。

そこから浪人の八面六臂の活躍が始まる。若者達を救い、人質を救出し、敵をバッタバタと倒し、要の重役を救い出して一気に不正を暴きだそうとするが、敵にはキレモノがいる。重役を助けようとした時に、彼の行動がばれてしまう・・・。

・・・テレビで拝見。

この映画は、オリジナルの黒澤監督版のセリフを、そっくりそのまま使っているそうだ。確かに記憶している範囲では、一語一句間違いなく同じようだった。でも印象は随分と違って、何か爽やかな感じがした。演じていた当時の三船の年齢は知らないが、今回の織田裕二の父親くらいに年をくって見えた。実際は、あんまり変わらないかも知れないのだが・・

三船の個性は凄かった。声が太すぎる。どこかアプレゲールの親玉みたいなヤケクソの雰囲気が残っているので、ヤクザな男を演じる時も実在感がある。でも、織田はテニスの王子様のような爽やかさがもともとのキャラクターだ。育ちが良いお坊ちゃんが、お坊ちゃん達を叱っても、なんだか爽やかなだけだ。

そのためか、結局は主役の迫力は不足していた。この役は半分ヤクザ者に近い、組織になじめない一匹狼の役柄である。基本的に大人しい、育ちの良いイメージでは演じにくい。悪役に近い雰囲気の人間が演じるのが常道であろう。

敵役の豊川悦司は、結構な味が出ていたような気もするが、仲代のようなぎらついた目つきではないのは仕方ないか。

セリフを自由にいじることが可能だったら、もっと作りようもあったかも知れない。意図的に同じにしたのか、権利上の関係でそうしたのか知らないが、脚本が全く同じでは、役者の個性を生かしようもないとは考えなかったのか?

製作サイドの意図をはかりかねた。

 

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