映画評

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2009年1月 6日

ラブ・アペタイザー(2007)

- キニア氏に同情  -

劇場主(私)の年末は忙しかった。インフルエンザワクチンの人をさばきながら、普段の患者さんも診察しないといけないし、新しい電子カルテの導入の準備、薬の点検、注文なら何やらで、ほとんど休みのない日々を過ごした。

そんなときに観たいのは、やはり心温まる物語だ。タイトルにラブの文字が入っていたし、モーガン・フリーマンが出ているし、きっと良い映画に違いないから、この作品を観る気になった。おやあ、監督はロバート・ベントン!こりゃ、絶対イケルねえ。

愛の話であった。愛は、神様が人間にくれた宝物か、呪いか?

モーガン・フリーマン演じる教授と妻(白人)は、かって息子を亡くしている。息子は薬物中毒だったのだが、全くそんなそぶりに気づかなかったことが夫婦の心の傷になっている。その傷のために、教授は休職中である。

教授の日課は、なじみの喫茶店で、グレッグ・キニア演じる店主と世間話をすること。キニアには妻がいたのだが、なんと!レズの女のもとに走られてしまう。彼は突然のことに呆然。

いっぽう、店の店員は恋人をゲットする。恋人は占い師に二人の行く末をみてもらうが、悪い結末が待っていると出る。しかし、彼女は彼に結婚を申し出る。彼女は何を思ったのか?

レズに妻を寝取られたキニア氏は、傷心の日々を過ごすが、自分が妻の心の変化に気づいていなかったことを素直に認める好人物ぶりに、教授を始めとする周囲の人間は呆れつつ、励ます。

キニア氏は、不動産業の女性と恋に落ちる。そして結婚生活を開始するが、この新妻には不倫関係の男性がいる。さて、キニア氏の結婚の行方は?

店の店員の若いカップルも結婚する。めでたく妊娠も判明。しかし、例の占いは外れてはいなかった。大いなる不幸が襲う。

愛は、苦しみしか残さないのか?様々な不幸が、登場人物達を襲う。

アブ・アペタイザーというタイトルの意味がよく解らないが、愛の前菜?キニア氏が前菜としてしか扱われないことを言っているのか?本格的な愛の前菜として、いろんな事件があるという意味かとも思う。

ロバート・ベントン監督の作品らしく、いかにもゆっくりした穏やかな口調で物語が始まる。途中で大きな不幸が訪れるのだが、どこか救いを探せるような面を持ち、暖かい周囲の人々の目が感じられる。

グレッグ・キニアという俳優は、本当にこんなキャラクターの映画には必須のアイテムなのかと思えるくらい、はまっている。不幸に打ちのめされる人間の役ばっかり演じている気がする。たまには別なキャラクターも演じてみては?彼がスーパーヒーローを演じたら、シュールで面白いのでは?

心うたれるのは、恋人が将来性がない、何か不幸が訪れると知って結婚する娘の行動。現実的には危険な考えたかで、ほとんどの女性は計算を優先すると思うが、中には純真な人も確かにいる。不幸を覚悟で、あえて愛の運命に自分をゆだねるのは凄いことだ。

私も妻の行状を見て、これは苦労するなと感じつつ、結婚したのである。別に肉欲に負けたわけではない。運命にまかせようと真剣に思ったのだ。偉いのである。映画にして欲しいくらいだわ。

でも、明らかに考えが足りなかったことは認めないといけない。相手は慎重に選ぶべきだ。

モーガン・フリーマンの妻が白人だったので、フリーマンが優れた人材であること、妻と強いきずながあったこと、二人には強い意志もあったことが自然に解る設定。

不倫関係で悩むキニア氏の妻の様子も自然。悪人としては描いていなかった。レズに走る妻も、最近良く見かける女優さんだったが、いかにもありなんという表情を出していた。

さて、この映画を家族や恋人に見せたものか?私は勧めない。家族はもちろんだが、恋人が同性愛に走ってもいいと言ってるような勘違いをされては困るし、基本的に不幸な話であり、恋が盛り上ることも期待できないからだ。

今のパートナーと付き合いを続けるか迷っていて、微妙な状態の時には、カマをかける意味でみせてみて、二人でよく深く考えて見るといいかも知れない。

「どんな不幸が来ようとも、運命にまかせて愛する。」という結論がでるようならバンザイ。「イヤ、やはり無難な人生を送りたいから、現実路線で行くわ。」と思えば、それも良し。私だったら・・・・いや、もう愛のことなんか、考える余裕もないわ。

 

 

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